家庭

教員として生徒の心をつかむこと ー若き日の失敗談ー

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こんにちは、やきいもやです。

今回は私自身の失敗談を書きたいと思います。

 

公立高校の教員として20年以上にわたり勤務をし、

数え切れないくらいの失敗をしてきました。

 

その中から学んだことは大変貴重な財産として

今の私を支えています。

そんなエピソードの一つです。

 

個人を特定されないよう、フェイクを入れてあります。

 

大学を卒業して初めての勤務校で教員2年目、

私は生涯初のクラス担任を任されることになりました。

(2年目でクラス担任を持つのはごく普通のことです。)

 

2年生のクラスです。

田舎の学校で大変純朴な生徒が多く、

経験の浅い私でも担任としてとてもやりやすい環境でした。

 

そんな中、一人の女子生徒のことがいつも気にかかっていました。

仮にSさんとしましょう。

 

Sさんの問題は、よく遅刻をすることでした。

それこそ、一週間に2日くらいは遅刻してきます。

 

最初のうちはその生徒と一対一で話を聞いたりして、

親身になって本人の行動を変えようとしてきました。

 

聞くと、平日でも深夜までテレビをつけて起きていて、

朝、どうしても起きられない、とのことでした。

 

まだ若かった私はこう考えました。

「そんなの、本人の生活習慣と家庭の問題じゃないか?」

 

この問題はなかなか改善されないまま6月になり、

1学期の保護者面談の時期になりました。

 

この時は担任である私と、それぞれの生徒の親御さんとの

2者で行う面談でした。

 

Sさんのところはお母さんがやって来ました。

成績のことや学校生活のことなどを伝え、

最後にとても遅刻が多いことを伝えました。

 

お母さんは恐縮して、

「いつも間に合うように起こしてるんですけどねぇ。

主人も私も仕事があって、先に出ちゃうんですよ。」

なんて言っていました。

 

私は、

「しっかり起きるまで確認して送り出して下さい。」

なんて、今考えるとやや無茶な要求をしました。

 

その後Sさんは、夏休みまでは遅刻もせずに登校しました。

 

しかし、夏休みが終わると元の木阿弥。

むしろ1学期の時より悪化してきました。

 

ここはハッキリと言うべきだと考え、

Sさんを遅刻のことで強く叱責し、

半ば強引にもう遅刻をしないという約束をさせました。

 

これが大変な失敗の始まりでした。

 

1週間ほどして、Sさんは学校を休みがちになってしまったのです。

理由を聞いてもハッキリと答えません。

 

学校に来れば友達と仲良くやっていて、

いじめを受けている様子でもありません。

 

私は悩みました。

その間にもSさんの遅刻も欠席も増えていきました。

意を決して、学年主任に相談をしました。

 

学年主任からは

「親子ともども学校に来てもらい話を聞いてみよう。」

という提案があり、それに乗っかることにしました。

 

そして私と学年主任、Sさんと母親の4者面談です。

Sさんはうつむいて暗い表情です。

 

あいさつをして、私が「Sさんの遅刻や欠席のことで」と切り出すと、

遮るようにして開口一番、こう言いました。

「困ってるんならクラスを替えてもらっていいんですよ?」

なんて、早くもけんか腰です。

 

訳が分かりませんでした。

学年主任が取りなそうとしてもお母さんは止まりません。

 

私「困ってるとかではなく、Sさんの遅刻欠席が増えるとまずいことに…」

母「この子がなぜ学校に行きたがらないか分かってないんですか!」

 

一喝されてしまいました。

母「あなたがこの子の気持ちを考えてくれていないから、

こんなことになってるんですよ!?」

 

言われたときは理解ができませんでした。

こんなにこの子のことを考えているのに?とばかり思いました。

 

その後、学年主任が母親をなだめ、本人に生活改善を約束させました。

その間、私は青ざめたまま一言もしゃべることができませんでした。

 

面談が終わり、職員室で学年主任から諭されました。

学年主任「おまえ、Sの行動を変えさせようとしただろ?

でもSの心を理解して、心を変えさせようとしなかったな。

それが今日の件につながってるんだよ。」

 

確かに私は、Sさんの気持ちを理解しないまま、

強く叱って遅刻を改めさせようとしていました。

 

あのとき本当は、Sさんともっと話し合い、

どうすれば遅刻をしなくなるか、ともに考えるべきだったのです。

その結果、答えなんて出す必要すらなかったのです。

必要だったのは、Sさんの心にアプローチすることだったのです。

 

20年以上も前の私の失敗です。

 

教師は失敗をしても次の年にはまた新たな生徒が入ってきます。

でも、教師の一回の失敗が、

生徒にとっては一生のことになりかねません。

 

いまでも悔いの残る、

若き日の過ちでした。

 

 

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