車を運転する人は、雪の季節になると特に気をつける必要があります。
寒い地方では毎日のように積雪があるため準備も心構えも万端ですが、年に数回の積雪がある地域のドライバーさんは積雪と聞いて緊張するのではないでしょうか?
この記事が目にとまったあなたも、そんな心配があるのでは?でも大丈夫、正しい知識と準備さえあれば雪道も決して怖いものではありませんよ。
中でも特に注意しておきたい、雪道でのブレーキの踏み方についてまとめてみました。あなたの運転の際の一助となれば嬉しい限りです。
それではぜひ最後までお付き合いくださいね。
雪道でのブレーキの踏み方
雪道でのブレーキの踏み方については次の3点を頭に入れておきましょう。
- 直線走行時の減速は自然な減速から「ふわっとブレーキ」へ移行
- カーブや交差点などでハンドルを切っている間はブレーキは踏まない、シフトダウンしない
- 万が一、ABSが作動した場合はブレーキを踏み続ける
以上3点を覚えておき実践することにより雪道での事故を起こす確率を格段に下げる事ができます。
なぜなら、雪道で事故を起こすケースの多くは正しいブレーキの踏み方ができていない事によるものだからです。
正しいブレーキの踏み方ができていないと次のような事故を起こすおそれが極めて高くなります。
- スピードが出ている状態から急ブレーキをかけたことによるスリップ事故
- カーブや交差点で曲がりきれずに対向車線や歩道に飛び出す事故
- ABSの作動に驚いてブレーキから足を離して起こす事故
積雪路でのこうした事故を防ぐためにも、前述の3点は必ず覚えた上での運転を心がけましょう。
以下には一つずつを詳細に解説していきます。続きをご覧下さいね。
直線走行時はエンジンブレーキからふわっとブレーキへ
積雪路の直線を走行しているときの減速は次のような段階を踏んで徐々にスピードを落とします。
- アクセルペダルから足を離して車の自然な減速に任せる
- ブレーキペダルを軽く踏み込み徐々に強くしていく
- 停止直前にブレーキペダルの踏み方を弱める
このような段階を踏むことで、車は安全に停止することができます。言い換えると急ブレーキとなる事を防ぐ訳ですね。
車が急ブレーキとなるのには二つのケースがあります。スピードが出ているときに急にブレーキペダルを踏み込む場合と、停止直前にブレーキを緩めずに強く踏み続ける場合です。
スピードが出ているときに急ブレーキを踏む人は、緊急時を除いてはそうそういません。一方で停止直前にブレーキを緩めないことでいわゆる「カックンブレーキ」になるドライバーは沢山います。
「車の運転が荒い」と言われる人は、この「カックンブレーキ」になっている場合が多いんです。
停止させようとするときには早めにアクセルペダルから足を離し、徐々にブレーキを踏み込んでいって停止直前には逆に踏み込みを緩めてみましょう。
こうすることで積雪路でのスリップを防ぎ、かつカックンブレーキにもならないことが可能になりますよ。
交差点やカーブでのブレーキやシフトダウンは厳禁
雪道では交差点やカーブでハンドルを大きく切っている間にはブレーキ操作をしてはいけません。
これをするとFF車は曲がりきれずに対向車線や歩道に突っ込むことになります。FR車はスピンして大事故に繋がるおそれが高くなります。
こういうことになる前に、直線走行時に前述の方法で十分にスピードを落としておきます。その後、交差点やカーブに進入するときにはアクセルもブレーキも踏まないようにして安全に曲がりましょう。
また、ハンドルを切っている最中にシフトダウンしてエンジンブレーキをかけようとする事は極めて危険ですのでやめましょう。
ちなみに、積雪路でエンジンブレーキをかける際にはシフトダウンをせずにただアクセルから足を離すだけにします。こちらの記事に詳細をまとめてあります。併せてお読み下さい。
さて、現代では多くの車にABSが搭載されていてスリップをした場合にも安全に停止するアシストをしてくれます。続いてはABSが作動した場合のブレーキの踏み方を紹介します。
ABSが作動中はブレーキを強く踏み続ける
万が一ABSが作動してしまった場合、ブレーキを強く踏み続けることが肝心です。
なぜなら、ABSとはタイヤがロックしたときに強制的にロックを解除して小刻みにタイヤを回転させることでスリップすることを防止するシステムだからです。
ABSは「アンチロック・ブレーキ・システム」の頭文字を取った略称です。文字通り、積雪路などで急ブレーキを踏んだときにタイヤをロックさせないシステムですね。
ABSが作動すると、「ピピピピ…」という警告音が鳴るとともにABS作動ランプが点灯してドライバーに知らせます。こうなった時にはハブレーキを強く踏み続けて車体が停止するのを待ちましょう。
ABS作動中にはハンドル操作ができますので、ブレーキを踏みながら障害物の回避を試みましょう。
積雪路の運転で気をつけるその他の事項
ブレーキ操作以外にも、積雪炉の運転で気をつけることが沢山ありますので以下にまとめてみました。次の3点についてです。
- スタッドレスタイヤとチェーンは必須
- やってはいけない3つの「急」アクション
- 特に気をつけるべき場所
それでは続けてお読み下さい。
スタッドレスタイヤとチェーンは必須
積雪炉の運転ではスタッドレスタイヤの装着とチェーンの携行は必須です。
特に山間部などを中心に、冬期には積雪による交通規制が敷かれることがあります。規制されている道路ではノーマルタイヤでの走行は禁じられるため、スタッドレスタイヤまたはチェーンの装着がない車は通行できません。
積雪の状況によっては、スタッドレスタイヤでもチェーンの装着が必須である「チェーン装着車以外通行止め」という規制が敷かれる事があります。
よって、スタッドレスタイヤ装着車であっても油断せずにチェーンは携行するようにしましょう。
スタッドレスタイヤを購入する際は中古よりも新品をお薦めします。その理由はこちらの記事からどうぞ。
やってはいけない3つの急アクション
積雪炉の運転でやってはいけない3つの急アクションとは次のようなものです。
- 急ブレーキ
- 急発進
- 急ハンドル
急ブレーキがダメな理由はこの記事の前半で述べてきたとおりです。
他にも急発進をしようとすれば、特に積雪が多い路面では駆動輪が雪に取られてスリップしてしまうケースがあります。
こうなるとその場で駆動輪にチェーンを装着したり、駆動輪の下に段ボールや布などを敷いて脱出する以外になくなります。そのため、積雪路の上り坂ではゆっくりしたスピードであっても止まらないで走り続ける事が肝心なのです。
また急ハンドルを切ろうとすれば車体がスピンして事故に繋がる危険が高まります。
いずれも極めて危険な行為です。積雪路では慌てずにゆっくりとした操作を心がけましょう。
特に気をつけるべき場所
積雪路で特に気をつけるべきなのは次の場所です。
- 日陰になっている場所
- 人通りの多い交差点
- 上り坂、下り坂
これらの場所を安全に走行するためのポイントとしては次の通り。
- 前述の通り、スタッドレスタイヤとチェーンは必須
- いつもの2倍以上の車間距離をとって走行
- 3つの急アクションは厳禁
建物や山の北側など、日の当たらない場所は路面の温度が上がらないため積雪がいつまでも残っていたり、濡れた路面が凍り付いてアイスバーン状態になることが多いため危険です。
また人通りが多い交差点は、積もった雪が踏み固められてやはりアイスバーン状態となり滑りやすくなります。
さらに、上り坂では停止した状態からタイヤが雪に取られて前進できなくなるおそれがあります。逆に下り坂ではブレーキを踏んでも止まることができず、前の車に追突するおそれがあります。
これらの場所では特に注意に注意を重ねて運転をしましょう。
まとめ
いかがでしたか?雪道の運転は乾燥路面の運転とは全く異なり、慣れているドライバーでもいつどんな危険に巻き込まれるか分からないので注意が必要ですね。
私自身、ブレーキングが遅いと言われてきたので気をつけて早めのブレーキを心がけてきました。その結果として車間距離や急アクションの回避もいしきして運転できるようになりました。
それでは今回の記事の内容をおさらいしておきましょう。
- 雪道でのブレーキ操作についてまとめました。
- 直線走行時にはアクセルペダルから足を離して自然な減速後、徐々にブレーキを踏み込みます。
- 停止直前にはブレーキを緩めます。
- 交差点、カーブでハンドルを切っている最中のブレーキ操作、シフトダウンは厳禁です。
- ABSが作動した場合にはブレーキを強く踏み続けます。
- その他、積雪路で注意するポイントについてまとめました。
寒い季節、ドライバーとしてはいつ積雪があってもいいように事前の準備と安全運転をいつも心がけていきたいものですね。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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