寒い季節、雪国の人やスキー、スノボのファンは12月に入るとスタッドレスタイヤへの履き替えをする人が多くいますね。
過信は禁物ですが、雪道で事故を起こさないためにも必須アイテムとして持っておきたいものです。運転のしかたはこちらの記事を参考にどうぞ。 → 雪道での運転のコツ
でもスタッドレスタイヤはノーマルタイヤと比べると高価で寿命も短い、まさに金食い虫的な存在であることも確か。
そこで「じゃあ中古スタッドレスなら安くていいんじゃね?」と考える人もいるはず。貧乏人の私もその口で、少しでも安く済む方がありがたいと思っていました。
でも今はそうは思いません。以下にその理由を示します。また新品と中古の価格の比較や、タイヤの安全性を自分でチェックする方法なども調べてみましたのでご覧下さい。
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中古スタッドレスタイヤは危険度が高い
新品と比べて中古スタッドレスタイヤは安全性能が低下していますので、新品を購入した方が遙かに確実に安全を確保してくれます。以下、その理由を説明していきます。
スタッドレスタイヤの寿命の目安
新品のスタッドレスタイヤの寿命の目安は3シーズンです。これはあくまで目安であって、走行距離やオフシーズンの保管のしかたなどにより、1年程度の幅はありますが、3シーズンを超えたら安全性能は確実に衰えてきます。
一方で、中古のスタッドレスタイヤはどんなに短くても製造から1年は経過している事から、運良く条件の良いものが見つかれば2シーズン、通常は1シーズンしか使用できないと考えるべきです。
「新品は3シーズン、中古は1シーズン」の理由
製造からの年数が経ちタイヤのゴムが固くなると、雪道走行時にタイヤの溝が雪に圧着しにくくなり、スリップをする原因になります。
新品で購入したタイヤであってもゴムが柔らかく安全に走行できる期間の目安は製造から3シーズンなんですね。それ以上はゴムが固くなっている恐れがあります。
一方、中古タイヤはこの「製造からの経過年数」を自分でチェックしないといけません。安いからと言って購入したものが実は製造から5年も経っていた、とあってはほとんど使い物になりません。
通常、スタッドレスタイヤを購入してすぐに中古として売却する事なんてありません。つまり中古のタイヤは最低でも製造から1年は経過しており、大多数は2年以上が経過しています。
こうした理由で、新品は3シーズン、中古タイヤは1シーズンが目安だと言えるのです。
また、中古タイヤは製造からの経過年数がまだ短いものでも走行距離が長いと溝が浅くなっている場合もあります。逆に溝は十分深いのに古くてゴムが劣化しているタイヤもあります。
どちらの場合も安全性能は既に衰えてしまっていると考えられます。こうした事があるので、中古を購入したい人は慎重に検討すべきなのです。
中古タイヤのコスパの悪さを検証
そうは言っても「1シーズン使えるなら、中古タイヤを毎年買うって方法もあるんじゃね?」と考える人もいるかと思います。でも1シーズン使い捨てはお勧めできません。コストパフォーマンスが悪いからです。
中古と新品の価格の比較
では具体的に、中古スタッドレスと新品との価格の比較をしてみましょう。中古タイヤは太平タイヤセンターのサイトを、新品は価格.comの最安値を参考にさせていただきました(2017年10月末現在)。価格は税込みです。
メーカー、製品 | 中古(製造年、価格) | 新品価格 |
ブリヂストン ブリザックVRX | 2013年 29,160円 | 49,200円 |
グッドイヤー アイスナビ6 | 2014年 21,060円 | 38,440円 |
ヨコハマ アイスガードIG30 | 2014年 24,840円 | 55,520円 |
ダンロップWINTER MAXX01 | 2015年 40,500円 | 42,652円 |
走行距離や状態にもよりますが、新品に対して4年~3年落ちでおよそ40~60%、2年落ち94%の価格設定になっていました。状態が良いのでしょうが、新品とほとんど変わらない価格のものもあることに驚きました!
使う期間は1シーズンと割り切って中古を買ったとしても、毎年3年落ちのタイヤを新品の半額で買うよりは、新品のタイヤを3シーズン使い切った方が断然お得なのが上の表から分かります。
スタッドレスタイヤは安全性能最優先で考える
以上の理由から、スタッドレスタイヤは金額重視ではなく安全性能重視で考え、中古よりも新品の購入を選択すべきという事になります。
ある程度の年数が経過している中古タイヤでは、業者の行き届いた保管状態であってもタイヤのゴムが十分な柔らかさを保っているかという点に疑問を持たざるを得ません。
更に言うなら、安全性能が確かとは言えない中古タイヤでビクビクしながら走行するストレスを考えると、より信頼の置ける新品タイヤで走行した方が精神的にも良いと思うのです。
2~3万円のお金を出し惜しみしたばかりに事故を起こしては、物損事故でもその何十倍も払うことになります。ましてや人身事故、死亡事故といった重大な事故を引き起こしたら…
何よりもあなたや家族が命を失うことになってしまったら…
雪道でノーマルタイヤ厳禁は当然ですが、スタッドレスタイヤにもこだわりを持って選んだ方が絶対にお得だと思いますよ。
こちらも参考に見てみて下さい。
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タイヤの状態をチェックする方法
タイヤの状態は自分で見て確かめる事ができます。前でも触れましたが、見るポイントは次の3点です。
- 製造からの経過年数
- ゴムの柔らかさ
- 溝の深さ
毎年スタッドレスタイヤに履き替える前に状態のチェックをして、ダメなら新たなタイヤの購入を検討しましょう。
製造からの経過年数をチェック
下の写真を見ると、タイヤに「HF63917」と刻印されているのが分かりますね。この下4桁が製造年と週を表しています。
「39」はその年の39周目、「17」は2017年の事です。つまり、このタイヤは2017年の39週目(9月くらい)に作られた事が分かります。
ゴムの柔らかさをチェック
では、そのゴムの柔らかさを見る方法です。
上の写真は硬度計と呼ばれるもので、カー用品店などではこれでタイヤの柔らかさをチェックします。アマゾンなどでも安価な家庭用の硬度計を手に入れることができます。
この写真では針が40を指していて、十分に柔らかいことが分かります。目安は45で、60を超えたタイヤはもう使えないと考えた方が良いですね。
「走行距離はそれほどないから4シーズン、5シーズンと使えないかな?」と考える人は、カー用品店などでゴムの柔らかさを見てもらうか、硬度計を購入して自分で計ってみましょう。
溝の深さをチェック
最後に、溝の深さのチェック方法です。写真を見て下さい。赤丸の場所がプラットフォームと呼ばれるポイントです。
プラットフォームはこの矢印の先にあり、4カ所についています。
プラットフォームは高さが5ミリ、新品のタイヤの溝は10ミリです。このプラットフォームのところまでタイヤがすり減ったら安全性能はほぼ無くなったことになります。
まだ1~2シーズンしか使ってないけど走行距離が長い人は、履き替えの前にプラットフォームをチェックして、減り方が激しい様なら勿体ないと感じても交換すべきですね。
まとめ
中古スタッドレスタイヤについて書いてきました。以下に要点をまとめておきます。
まとめ
- 中古スタッドレスタイヤは安全性能が確実に落ちています。
- スタッドレスタイヤを使えるのは新品で3シーズン、中古は1シーズンが目安と考えましょう。
- 中古タイヤは新品の40%~90%程度の価格で手に入りますが、1シーズン程度しか使えないため経済的ではありません。
- スタッドレスタイヤが機能するかどうかは自分でチェックできます。毎年シーズン前にチェックしましょう。
スタッドレスタイヤは保険と同じ。お金で安全と安心感が手に入るのなら出しましょうよ。
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