休みの日に選挙の手伝いに行くように上司に支持されたりして困っていませんか?
建前上は会社が社員にこうしたことを支持することはできませんので、労働組合からの協力要請という形になっている場合が殆どでしょう。
でも実質的には上司からの強制のようになっている場合もあると聞きます。そんな場合の断り方を知っていれば上手く逃れることができますよ。
この記事では選挙の手伝いの要請があったときの上手な断り方、強制することは違法になるか、報酬が支払われるか、といった問題について解説をしていきます。
ぜひ最後までお付き合いくださいね。
選挙の手伝いの断り方!
選挙の手伝いの断り方で最も有効なのは、ズバリ次の言葉です。
- 親戚が他の政党から立候補するので協力できない
これに付随して「そちらの選挙運動の協力を頼まれているので」と言えばさらに強力な言葉になるでしょう。
選挙の運動員は、一部を除いて全員がボランティアとして手伝いをしているのが建前です。
会社の組合が特定政党を支持している場合、組合の総会などで「組合として◯◯党を支持するので選挙では協力していく」などと決議または合意がなされているはずです。
お手伝いと言いながら、半ば強制的に組合員をかり出しているキモはこの決議や合意事項の部分にあります。「総会の場で協力することになったよね」という理由付けができているからですね。
ただし、協力するというのはあくまでボランティアとしての話です。私的な事情があれば協力をする義務はありません。あくまでボランティアですから。
その事情が「身内が他党から立候補する」という事ならおおっぴらに選挙運動に協力できないことは理解してもらえるのでは?
この方法は軽いウソをつくという心理的ストレスがかかってくるのがデメリットです。でも「ウソも方便」と言います。誰かを傷つけることのないウソならやむを得ないと思いますよ。
選挙の手伝いを強制するのはアウト?
選挙の手伝いを強制することは様々な面で問題となります。会社の組合の関係で上司からの依頼であっても強制力が働いていればアウトとなります。
具体的には次のような問題が出てきます。
- 特定候補者の選挙運動を強制 ⇒ 憲法19条(思想、信条の自由)、憲法13条(プライバシー権)の侵害
- 会社の就業時間内での協力呼びかけ ⇒ 会社の就業規則に抵触、コンプライアンス違反
他にも、選挙の運動員に無報酬で労務を強制する行為は公職選挙法に違反することがあります。
この問題については次の章で詳しく解説をしていくので、続けてご覧下さいね。
選挙の手伝いに報酬は出る?
選挙の手伝いは基本的にボランティアであるため報酬は支払われません。それどころか、お茶やお茶請けの菓子以外の飲食物を提供することも禁じられています。
選挙運動に協力には、報酬が発生する運動員と報酬が発生しない協力者の二種類が存在します。報酬が発生する運動員とは次のような業務に従事する人たちを指します。
- 選挙運動の労務者(ポスター貼りや演説の準備などの単純労働に従事する人)
- 選挙運動の事務員
- 車上運動者(いわゆるウグイス嬢)
- 手話通訳者
こうした人たちには法律で定められた基準に沿った報酬が支払われます。内容としては日当、交通費、弁当代、茶菓子代などがあり、業務内容により細かく定められています。
これらの人員は事前に作成されたリストに名前が記載され、選挙管理委員会への提出が義務づけられています。
このことは公職選挙法第197条2項で定められ、選挙管理委員会の告示で具体的な規定が示されています。下のリンクを参照して下さい。
このリストに名前が載らない協力者は全てボランティアという位置づけです。当然ながら報酬は支払われず、食事や交通費も全て本人負担となります。
逆にこれらのボランティアに食事や交通費などを提供すると公職選挙法に抵触し、候補者本人が起訴される事になります。
休みの日に選挙の協力でかり出され、交通費も食事も出ないと何だか損をした気分になっても仕方ないですね。
まとめ
いかがでしたか?
労働組合によっては選挙の協力にやたらと力を入れているところもあります。
確かに組合が推す候補者が当選すれば組合員にもメリットはあるかも知れませんが、貴重な休日に無報酬のボランティアをすることとのバランスが難しいですね。
それでは今回の記事の内容をおさらいしておきましょう。
- 労働組合などからの選挙運動への協力の要請を断る方法を解説しました。
- 選挙への協力を強制することは違法行為です。
- 選挙運動の協力へは、ウグイス嬢など一部を除いて無報酬です。
選挙への協力も組合としては大切な活動の一環ですが、個人の時間だって尊重して欲しいと個人的には思っています。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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