近頃は国会の様子を動画サイトの生放送などでも見ることができるようになりましたね。
その中で野党議員が内閣の責任を追及したりする姿も見受けられます。でも老練な大臣に軽くあしらわれて追究しきれないことも多いんですけどね。
あなたは国会中継などを目にすることはありますか?議論の内容はともかく、その様子を見ているだけで意外と面白いものなのでお薦めですよ。
私自身、国会の本会議や予算委員会などの動画を見ることに一時ハマっていたことがあります。すごく過激なことをさらりと言う議員も中にはいたりして、なかなか見応えがあるんです。
ところで国会と内閣の違いって何なんでしょうか?どちらも政治用語で、何だか似たような印象を受ける言葉だけど、調べてみると大きな違いが沢山ありました。
この情報をあなたとシェアしたいと思いますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。
国会と内閣の違いを大解説
国会と内閣の違いをざっくりと書けば次のようになります。
- 国会は選挙で選ばれた議員が集まって法律や予算を決める機関
- 内閣は内閣総理大臣と国務大臣の集まりで国の行政のトップ
別の言い方をすれば、国会は国民や省庁が従うべきルールを決めたり集めた税金の使い道を決めたりするところです。
一方で内閣は国会で決められたルールや予算に沿って省庁に仕事をさせる大臣の集まりのことです。
中学校や高校などの組織に例えると、各クラスの代表者が集まってルールなどを決める生徒議会が国会にあたります。一方で全校生徒の中から立候補した人が選挙を経て生徒会長などの生徒会役員として働くのが内閣にあたります。
続いては国会の役割についてさらに詳しく解説していきます。
国会は法律と予算を決める機関
前述の通り、国会とは法律や予算を決める国の最高決定機関です。
法律を決めることを立法、法律を決めることができる権利のことを立法権と呼びます。また法律を決める機関としての国会のことを立法府とも言います。
そして日本では国家予算(税金による収入と支出の計画)の決定も国会に委ねられています。予算計画を立てるのは内閣ですが、内閣から提出された予算案を議論して最終的に決定するのは国会です。
これも学校に例えると、生徒会の予算を計画するのが生徒会役員で、その計画を審議して決定するのが生徒議会であるのと同じ構造ですね。
でも国会が学校の生徒会組織と異なるのは、衆議院と参議院という二つの議員から成り立っているところです。この二つは何が違うんでしょうか?それぞれの役割とはどのようなものか、続きをご覧下さい。
衆議院と参議院の違い
衆議院と参議院の最も大きな違いとは以下の点です。
- 衆議院は参議院よりも国民の声を反映しているとされている
- 参議院は衆議院よりも長期にわたる議論を通して案を深く練るとされている
- 衆議院と参議院で異なる結論に達したときは、最終的には衆議院の結論が優先される
衆議院は任期(議員でいられる期間)が4年と参議院よりも短く、かつ解散(任期前に議員でなくなる)される事があります。そのため参議院と比べて新たな国民の声を取り入れた人物が議員として働くと考えられています。
一方で参議院の任期は6年で解散がありません。また参議院の議員として働く人は学者や文化人など特に深い知識を持った人たちが多く、「良識の府」とも呼ばれます。参議院の方が案を深く練ることができるというのはこうした背景があるからです。
さらに衆議院と参議院の結論が異なるとき、法律案以外のこと(予算や内閣総理大臣の指名など)についての結論ならば両院協議会が必ず開かれてすり合わせが行われます。
同じく法律案について衆参両院の結論が異なるとき、両院協議会を開くかどうかは実質的には衆議院に決定権があります。
いずれの場合にせよ、両院協議会の場でもすり合わせがうまく行かないときには衆議院の結論が国会の最終決定となります。こうした部分が衆議院の優越と呼ばれる訳ですね。
これらの事情を含め、他にも衆参両院には幾つかの違いがありますので一覧にしました。
衆議院 | 参議院 | |
議員定数 | 465人 | 242人 |
任期 | 4年 | 6年(3年ごとに半数を改選) |
解散 | あり | なし |
被選挙権 | 25歳以上 | 30歳以上 |
選挙制度 | 全国295区(小選挙区制) | 都道府県ごと1区 |
選挙制度(比例区) | 全国11区 | 全国1区 |
衆議院と参議院の選挙についてはこちらの記事により詳しくまとめました。併せてご覧下さい。
さて、ここまでは国会について解説してきました。続いては内閣についての解説を加えていきます。続けてお付き合い下さい。
内閣は国の行政のトップ
前述のように、内閣とは国の行政のトップとしての組織で、内閣総理大臣と他の国務大臣のことです。会社組織に例えると取締役会のようなものです。
行政とは公的機関が法律に従って活動することです。その権利を行政権と言い、内閣は国の行政権を持っています。立法権は国会、司法権は裁判所、そして行政権は内閣にある訳です。
内閣のトップである内閣総理大臣は国会内の指名選挙により決定されます。そして他の国務大臣は内閣総理大臣が任命権を持っています。また国務大臣の半数は国会議員から選ぶことになっています。
内閣とともによく耳にする言葉に、内閣官房とか内閣府などがあります。これらはどういう違いがあるんでしょうか?続いて解説をしていきます。
内閣官房は総理大臣の補佐役
内閣官房とは内閣および内閣総理大臣を直接的に補佐する機関です。内閣を取締役会とすると、内閣官房は社長を補佐する秘書室にあたると言えます。
主な仕事は内閣で話し合った事柄の整理、内閣で必要な細かい庶務、各省庁の調整などを担当しています。各省庁が独善的な縦割り行政に陥らないように全体を監視して調整する役割と言えます。
内閣官房のトップは内閣総理大臣です。それとは別に事務をまとめる内閣官房長官という役職が割り当てられていて、実質的にはこちらがトップとして仕事をしています。
また内閣官房は全ての省庁の上に位置する行政機関として機能しています。省庁全体を見回して調整をするわけですから、他よりも上に位置していないといけませんからね。
内閣府は内閣を助ける機関
内閣府とは内閣の事務を助けることが任務の行政機関です。会社組織に例えるなら総務部のようなものと言えます。
内閣で行うことの幅を広げる補助をしたり、重要事項の企画や調整をしたり、どの省庁にも当てはまらないが重要な国策をすすめたりするのが内閣府の役割です。ある意味「なんでも屋」みたいですね。
内閣府の主任大臣はやはり内閣総理大臣ですが、補助的な役割としての特命担当大臣を設置することができます。中でも沖縄及び北方対策担当大臣、金融担当大臣、消費者及び食品安全担当大臣は必ず置くことになっています。
内閣官房を助けて国の重要政策をすすめるという立場上、他の省庁よりも上で内閣府の下に位置する行政機関です。
まとめ
いかがでしたか?国会と内閣の違い、それぞれの役割などについて解説をしてきました。
実は国会と一口に言っても幾つかの種類があるってご存じでしたか?詳しくはこちらの記事をご覧下さい。
こうしたことは普段はあまり意識をしないけど、国民として基本的なことはきちんと押さえておきたいものです。そして選挙の時などはよく考えて投票した方が良いかもしれませんね。
それでは今回の記事の内容をおさらいしておきましょう。
- 国会は立法を担って法律や予算を決定し、内閣は国の行政のトップとして省庁を監督するのが仕事です。
- 国会には衆議院と参議院があり、二つの違いをまとめました。
- 内閣は内閣総理大臣と他の国務大臣で構成されます。
- 内閣、内閣官房、内閣府の違いについて解説しました。
私自身、国会と内閣の違いや、衆議院と参議院、内閣官房と内閣府の違いなんてあまりよく分かっていませんでした。今回調べてみて「そうだったのか!」って事が多くて驚いています。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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