国会は私たち国民の生活に直接関わる法律を、選挙で選ばれた議員が話し合って決定している重要な国の機関です。
でも一口で国会と言っても、実は幾つかの種類があるってあなたは知ってましたか?
私などは政治のことをよく分かっていませんでしたので、「議員さんってずっと国会議事堂で会議ばかりしてるんじゃないの?」なんて思っていました。
でも実はそういうわけでもなく、国会の種類ごとに会期や話し合う内容があるんです。だから国会は開かれていない時期もあり、議員さん達もこうした時期には他の活動をしていたんですね。
それでは国会の種類とはどんなものがあるのか?
調べた内容をできるだけわかりやすくまとめてみましたので、ぜひ最後までお付き合い下さいね。
国会の種類をわかりやすく解説してみた
国会には4つの種類があります。それは以下の通り。
- 通常国会(常会)
- 臨時国会(臨時会)
- 特別国会(特別会)
- 参議院の緊急集会
以下にそれぞれの役割や特徴などを詳しく解説していきます。
1月から6月までの通常国会
通常国会と呼ばれる会議が1月中に招集され6月まで行われます。通常国会は法律上は「常会」とも呼ばれます。通常国会には以下の特徴があります。
名称 | 通常国会(常会) |
会期 | 1月中に召集されてから150日間 |
会議の内容 | 主に次年度の予算と関連する法案 |
延長国会 | 1回まで可能 |
「会議の内容」の部分にある「予算」とは、税金などでどの程度のお金が集まりそうかということとその使い道のことです。
また最後の項目である「延長国会」とは、通常150日間の会期をあえて引き延ばすことです。こうすることで話し合いの不足を補ったり、より深い話し合いをすることに繋がります。
会期の延長には上限が決められていないため、理論上は次年度の本会議が招集されるまで延長することが可能です。
ただし、3年に1度は参議院選挙が7月に行われる都合上、通常は20日程度の延長にとどめることが多いようです。
緊急の場合の臨時国会
臨時国会とは、補正予算(通常国会で決めた予算を修正すること)を組んだり、災害など突然の事態が生じたときに急いで法律を整備したりする必要があるときに臨時で召集される国会です。法律上は「臨時会」と呼ばれます。
通常国会と同様に一覧にしましたのでご覧下さいね。
名称 | 臨時国会(臨時会) |
会期 | 衆参両院の協議で決定 |
会議の内容 | 主に補正予算など緊急の法案や通常国会で未消化の法案 |
延長国会 | 2回まで可能 |
召集の条件 | 内閣が必要を認めたとき、または衆参どちらかの1/4以上の議員の要請があるとき |
以上のように臨時国会は緊急の案件があるときに開かれることになっています。しかし実際には「秋の臨時国会」などと呼ばれ、慣例的に毎年9月に召集されています。
その背景としては、通常国会で予算を決定しても数ヶ月後には日本を取り巻く状況が変わることが多いために当初に決定した予算では都合が悪くなる場合が多いからですね。
特別国会は衆議院解散総選挙後
特別国会とは衆議院が解散して総選挙が行われた後で30日以内に召集されるものです。法的には「特別会」と呼ばれています。
こちらも一覧にしましたので参考にして下さい。
名称 | 特別国会(特別会) |
会期 | 衆参両院の協議で決定 |
会議の内容 | 主に内閣総理大臣の指名投票、議長・副議長の選挙など |
延長国会 | 2回まで可能 |
召集の条件 | 衆議院解散総選挙から30日以内 |
衆議院は内閣の権限で解散することがあり、その場合には選挙を行います。選挙は国民の代表として国会に出席する議員を選ぶ行為で、一般国民が政治に関与できるとても大切な機会です。
つまり選挙で衆議院議員を選び直すことは国民に対して「候補の中から議員にふさわしい人を選んで下さい」と問うことなのです。
そしてその後に行われる特別国会では新たに内閣総理大臣を決める投票が行われます。
通常、最も多くの議席を獲得した党が政権を担い、その党首が内閣総理大臣として指名されます。つまり国民の意思を尊重した結果として新たな内閣総理大臣が誕生するという訳なんですね。
衆議院の解散についてはこちらの記事に詳しく解説しました。併せてご覧下さいね。
また、選挙についてはこちらの記事に詳しくまとめてあります。
最後にもう一つ、「参議院の緊急集会」という耳にする機会がほとんどない種類の国会をご紹介します。
参議院の緊急集会
参議院の緊急集会とは、衆議院が解散しているとき(つまり衆議院議員がいないとき)に緊急で法律を整備する必要があるとき、参議院議員を召集して開かれる国会のことです。
こちらも一覧をご覧下さい。
名称 | 参議院の緊急集会 |
会期 | 緊急の案件が議決したときまで |
会議の内容 | 緊急の案件 |
延長国会 | 性質上、必要なし |
召集の条件 | 衆議院の解散中に緊急の案件が生じたとき |
前述の通り、衆議院は内閣の権限で解散することがあります。つまり突如として衆議院が不在という状況が生まれることがあるわけですね。
そんな時に緊急事態が発生して国会において政治的な決定をしなければいけないとき、解散がない参議院の議員を召集して行われるのがこの緊急集会です。
またこれは緊急の集会のため、正式に国会がスタートしてから10日以内に衆議院の同意が得られない場合には、この集会での議決は無効となります。
滅多に開かれることのない集会ですが、過去の事例としては1952年に1回、1953年に1回の合計2回開催されており、後に衆議院からの同意を得られた為に有効な議決となっています。
まとめ
いかがでしたか?普段何気なく国会と言われている中にも、こんなにいろいろな種類があったんですね。
私たち一般の国民としては、国会では建設的な議論をして国民のために有益な法律を作って欲しいという気がします。
それでは今回の記事の内容をおさらいしておきましょう。
- 国会には4つの種類があり、それぞれの特徴や性質をまとめました。
- 通常国会は1月中から150日の会期で行われ、主に予算とその関連法案について話し合って決定します。
- 臨時国会は主に補正予算や緊急の案件などについて話し合い決定します。
- 特別国会は衆議院の解散総選挙後30日以内に召集され、主に内閣総理大臣の指名投票などが行われます。
- 他にも衆議院の解散時に緊急の案件が生じたとき、参議院の緊急集会が開かれることがあります。
国会ってどのように話し合いをすすめているのか、これであなたの疑問解決のお役に立てたでしょうか?
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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