私は自分の性格をズボラで大雑把で楽天家だと思っています。
でも時には細心の注意を払って仕事をしたり、物事を悪い方向へと考えたりすることもあるんですよ。
人の性格というのは一面的に捉えることは難しいのかもしれません。
あなたはご自分の性格はどのようなものだと思っていますか?
よく耳にするのが血液型と性格の関連です。「A型は几帳面、B型は…」というあれです。
あなたの血液型と性格って一致してますか?他の人からはどう言われることが多いでしょうか?
血液型と性格は関係があると言う人も多いですが、関係がないと言う人が増えてきている気もしています。
結局、血液型と性格は関連があるという話には根拠があるんでしょうか?またこういう話が持ち上がった経緯とは一体?
気になる疑問をリサーチしてみました。ぜひ最後までお付き合いくださいね。
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血液型と性格の関連に根拠なしとする考えが主流
現在、血液型と性格を関連付ける根拠はないとする考えが科学の世界では主流です。それどころか血液型による性格分類を疑似科学だと言い切る研究者もいます。
学習院大学の田崎晴明教授の提案で、疑似科学にどう対応するかを考えるシンポジウムが日本物理学会により2006年に開かれています。その中で血液型性格分類も疑似科学の範疇に入るとされました。
また心理学者の菊池聡氏は『なぜ疑似科学を信じるのか―思い込みが生みだすニセの科学』という著作で血液型性格分類の有効性を否定しています。
このように物理学や心理学などの研究者の多くが、「血液型と性格に関係なし」と明確に否定しているのが現在の状況です。
では一体どのような経緯や根拠で血液型と性格が関連付けられてきたんでしょうか?
日本での血液型と性格の研究の経緯
日本で最初に血液型と性格に関連があるという説は、東京女子高等師範学校の古川竹二教授が唱えたことが始まりと言われています。
しかしこの説はすぐに否定される結果となりました。古川教授はサンプルをたった11人の近親者から得ていたり、その中にAB型がいなかったなど杜撰な研究手法が明らかになったことも関係しています。
血液型と性格を関連付けようとした大学教授
古川教授は1927年に「血液型による気質の研究」という論文を発表し、その後1932年に研究の集大成として『血液型と気質』を出版しています。
さらに古川教授の学説に基づき、兵隊の特性を把握して部隊への配置を決めるのに血液型を用いようという取り組みが帝国陸軍において試行されました。
しかし後に、「血液型で兵隊の特性は把握できない」としてこの試みは放棄されています。
このような経緯を経て1933年、日本法医学会総会で古川教授の学説は否定されました。
戦後まもなく学会で否定されたのに、なぜ今でも血液型と性格が関係あると考える人が多いの?と不思議に思いましたか?
実はそれから40年近く経って、この説は一度復活しているんです。
1970年代に復活した血液型性格分類
能見正比古という人物が、1971年に『血液型でわかる相性』、1973年に『血液型人間学』という本を出版し、これにより血液型性格分類が広く世間に流布されるようになりました。
現在信じられている、例えば「A型は几帳面、B型は…」といった考えはこれらの著作物が元になっています。
能見氏は10万人を超えるデータを収集し、その分析結果から自身の説を結論づけたと言っています。
しかしこのデータは最初の著作である『血液型でわかる相性』の読者アンケートや能見氏の講演会の来場者に協力を依頼したものであり、信頼性には疑問が投げかけられています。
そもそも、能見氏が主張する10万人分のデータを確認した人はいないとも言われており、やはり信憑性が揺らいでいるのが実情です。
「でも血液型と性格に関連があるという説を最近聞いたよ?」という人もいるかも知れませんね。実はその様に主張している研究者もいるのです。
現在も関連ありとする説もある
人間総合科学大学の藤田紘一郎教授の著書、『血液型の科学』によると、血液型と性格には医学的に見て関連があるとの主張が展開されています。
この著書によると、血液型により免疫力やかかりやすい疾病が異なるため、人類の長い歴史の中で生き方や社会的な役割が自然と決まってきたということです。
藤田教授の説は現代日本では大きな影響力を持っているとは言い難いかもしれません。しかし血液型と性格に関連があると考える研究者もいることの証左ではあります。
このようにいろいろと話題が多い血液型ですが、そもそも血液型って何なのか疑問が湧いてきませんか?
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血液型とは個人を識別する方法
そもそも血液型とは、血液のタイプによって個人を識別しようとする方法のひとつなんです。Wikipediaの記述を見てみると次のような書き方がされています。
血液型(けつえきがた)とは、血球の表面または内部にある血液型物質(抗原)の有無によってつける個人の区別であり、「ヒトの血清学的体質」、「血液の個人性」、「個人を血清学的に識別する方法」ともいえる。
(出典:フリー百科事典『Wikipedia(ウィキペディア)』
難しい書き方でちょっと分かり難いですね。ざっくり書き直すとこうなります。
「血液にある抗原と抗体の反応の違いを調べ、同じ反応のものをグループとしてまとめたもの」ということでしょうか。
血液型が違うと固まってしまうため輸血できない、という話を聞いたことはないですか?これは抗原と抗体が反応を起こすことで血液が固まってしまうという意味なんですね。
同じ血液型同士なら反応がなく固まることもないから輸血できるという訳です。
さて、血液型といえばABO方式とRh方式だけだと思っていませんか?実は他にもたくさんの分類方法があったんです。
こんな分け方の血液型もある
血液型の分類には実に主なものだけでも10もの方法があります。下にリストアップしました。
- ABO式
- Rh式
- MNSs式
- P式
- ルセラン式
- ケル式
- ルイス式
- ダフィー式
- キッド式
- ディエゴ式
他にもたくさんの分類法があります。
ちなみに蚊に刺され易い血液型があるのか気になる人はこちらの記事もどうぞ。
血液型が性格と関連があると言ってABO式だけの4種類に分けようとするなら、他の方式による性格との関連はどうなのかも問題になるんじゃないでしょうか?
それを無視してABO式だけで性格を決めつけようとするのはフェアじゃないと、個人的には思うのですが…
あなたはどの様に思いますか?
まとめ
いかがでしたか?血液型と性格との関連を研究した学者さんが過去にいて、しかも一旦はその説は否定されていたというあたりはビックリの事実でしたね。
でも血液型は飲み会を盛り上げる話のネタ程度なら罪はないかもしれませんね。
以下にまとめておきます。
まとめ
- 現在、血液型と性格の関連は根拠なしとされています。
- 戦前に血液型と性格に関連ありとした研究がありましたが、間もなく否定されました。
- 1970年代に同様の説を唱えた著作が出版されたことで世間に広まりました。
- 血液型とは互いの抗原と抗体の反応による分類のことです。
- ABO式を含め、主な分類方法だけでも10種類の血液型があります。
血液型を話題にして楽しむのはいいですが、あまり真剣に捉えすぎて「あいつはABだから変人だ」といった差別にならないように注意したいですね。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
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