ここ数年、毎年のように日本のどこかで大きな災害が発生しています。
東日本大震災は言わずもがな、広島での土石流、熊本の震災、九州北部での豪雨災害、各地での台風による被害、そして西日本豪雨災害と、それこそ矢継ぎ早になにがしかが発生している印象があります。
あなたがお住まいの地域では、近頃こうした災害を経験されていますか?
私自身、幸いなことに地震や洪水による大きな災害というのは経験したことはありません。でも災害が発生するとやはり心が痛み、少なくともお金で支援をしようと考えています。
そんな中ネット上で話題になっているのが「被災地に千羽鶴を送るな」という意見です。確かにもっともな意見に聞こえますよね。千羽鶴では空腹ものどの渇きも解決できません。
では実際に被災地に大量の千羽鶴が届けられて迷惑しているのかと調べてみたら、とても意外な事が明らかになってきました!
その情報をあなたとシェアしたいと思いますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。
スポンサーリンク
千羽鶴を被災地に送るのは迷惑?
千羽鶴を被災地に送る行為は被災者にとっては迷惑だという意見が多く見られる中、実際には被災地から「送られて迷惑だった」という声は見受けられないというのが実際のようです。
ネット上でよく見られる意見としては次のようなものがあります。
- 千羽鶴を送る行為は自己満足そのもの。
- 物資の仕分けに混乱を来す。
- 送られても生活のために使い道はない。
- 後々になって捨てるのが難しい。
- 手間暇かけて千羽鶴を作るよりも即座にお金を送るべし。
確かにもっともな意見なのですが、こうした意見に対し赤木智弘氏はブログの中で疑問を呈しています。
以下は赤木智弘氏のブログ記事からの引用です。
本当に各地に千羽鶴が送られて困っていると言うなら、今のSNS時代に実際に大量の千羽鶴が送られて困っている写真がアップされてもいいはずだ。しかし、これだけみんなが千羽鶴を叩きながら、そうした画像が一切出回っていない。
(中略)
つまり突然被災地に千羽鶴が送られて被災者困惑などということは実際に起こっていない可能性が高い。
また、ニュースサイト「ねとらぼ」が熊本市の復興総室長に行った取材を元に書かれた記事によると、熊本の震災の際に送られた千羽鶴は思ったほど多くなかった様です。
――熊本地震の際は、被災地にどれほど千羽鶴が贈られて来たのでしょうか。
室長: 量としてどれほど来たのかは、市で一元的に総括していないので具体的にはわかりません。知り合いのつてで仮設住宅所へ贈るなど、避難所、各自治体、学校などそれぞれ被災者のいる場所へ直接送るケースが多いですから。
室長: ただ正直言うと、発災直後に千羽鶴や色紙はそれほど送られてこなかったと思います。個人からの支援物資としては、やはり水や衣類といった「生きていくために必要なもの」が優先的に届きました。千羽鶴や色紙は、震災からしばらくたって現場が落ち着いてからでしたね。届いた千羽鶴の廃棄に困っているという話は聞いたことがなく、報告書としてもあがってきたこともありません。
(中略)
――支援物資で処置に困ったことは何かありましたか。
室長: 処置に困ったのは折り鶴や色紙よりも、避難者が少なくなった後でも日本全国から個人の支援物資が大量に届いてしまったことです。被災地のニーズは時間がたつにつれ変わってしまいます。発災直後は水、はがき、生理用品などいろんなものが必要で、それは数があるだけ助かるもの。しかし落ち着いてきてそれらが必要十分あるにもかかわらず、水、毛布、簡易型のダンボール型ベッド、乾電池、化粧品、子ども用のミルク、おしめなどが多く送られてきました。ニーズにマッチしない上に数もすごいので、持て余してしまいました。
――現段階で西日本の大雨の被災地へ支援するとすれば、どのような形が喜ばれるのでしょうか。
室長: まず話にあるような千羽鶴や色紙を現時点で送るのは、先方が困られるので控えた方がいいと思います。というよりも、個人からの支援物資を送ること自体をやめた方がいいでしょう。
意外な事に、千羽鶴よりも個人から大量に送られてくる物資の方が困ったと言うのです。
インタビューの中で室長が仰るとおり、千羽鶴を送るにしてもある程度時間が経過した後で、学校や避難所あてに送るのがいいのかもしれません。
そして、支援物資を個人から送るのはやめておきましょう。
では個人として被災地を支援するのに最適な形はどのようなものでしょうか?
スポンサーリンク
被災地に本当に必要な支援はこれ
被災地を支援するために個人でできる最高の形は、募金に応じることです。
一口に募金と言っても、その使われ方によって「義援金」と「支援金」に分かれます。あなたがどちらの形で募金をしたいのかにより、募金する先が異なるので注意が必要です。
では義援金と支援金の違いについて解説をしていきます。続けてご覧下さい。
被災者に100%届く義援金
義援金とは生活再建資金として被災者に100%届けられるお金のことです。
受け取った被災者が自由に使うことができるというメリットがあります。一方で被災者に届くまでに時間がかかるというデメリットもあります。
義援金は主に被災自治体や日本赤十字社などの公的機関が募金を呼びかけます。その後、これらの公的機関により構成される「義援金分配委員会」によりまとめられた募金は公平に被災者へと届けられます。
こうしたプロセスの中で公平に分配する事にどうしても時間がかかってしまうんですね。
- 被災自治体
- 日本赤十字社
- 赤い羽根共同募金
- UNICEF
注意が必要なのは、「義援金」として募金を呼びかけているのに集まったお金を全て被災者に渡さず、一部を活動資金として流用する団体もあるところです。
義援金の募金に応じるときは、100%が被災者に渡ることを確認してからにしましょう。
支援金はNGO、NPOの活動資金となる
他方、支援金とは被災地でボランティアとして活動するNGO(非政府組織)、NPO(非営利団体)の活動資金として使われます。
つまり支援金に募金されたお金は被災者へと届かずに、ボランティアとして活動する人たちの現地での食費や生活費などに充てられることになる訳です。
被災者への直接的な支援とはならないのはデメリットと感じるかも知れません。しかしこうした団体はフットワークが軽く、被災直後から現地入りをして炊き出しなどの支援を行う事ができます。
このような団体の活動資金を提供することで間接的に被災者支援となります。しかも発災直後にボランティアスタッフが現地で本当に必要な支援を行うことができるのは大きなメリットだと言えます。
こうしたNGO、NPOなどで特に実績がある団体には次のようなものがあります。
- シビックフォース
- AMDA
- ピースウインズ・ジャパン
- ジャパン・プラットフォーム
こうした団体なくして被災者の生活は成り立たないのも事実。これらの団体への支援金に協力することも確実に被災地支援につながっているのです。
まとめ
いかがでしたか?にわかに話題になった「被災地に千羽鶴を送る問題」ですが、よく調べてみると意外と迷惑になっている訳でもなかったんですね。
だけどやはり被災地を支援するのなら第一にはお金です。千羽鶴をどうしても送りたい場合は少し時間が経ってからにしておきましょう。
それでは今回の記事の内容をおさらいしておきましょう。
- 赤木智弘氏のブログ記事によると、千羽鶴を送られて被災者が迷惑をしているという事態は実際にはない可能性が高いと思われます。
- 熊本市の復興総室長へのインタビュー記事によると、千羽鶴が迷惑だったという話はなかったようです。
- 被災地支援には物資を送るよりも募金に応じることを考えましょう。
- 義援金とは生活再建資金として100%が被災者へと分配されるお金です。
- 支援金とは被災地で活動するNGOやNPOの活動資金となるお金です。
日本は災害大国です。私の所もあなたの所も、いつどんな災害が発生するか分かりません。いつ何が起こっても、互いに助け合う精神を発揮したいものですね。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
この記事へのコメントはありません。