暑くなってくると現れる憎いあんちくしょう。それが蚊です。
奴らって本当にずる賢いと思いませんか?見えないところからそっと近づいて、こちらが気づかないうちに血を吸い取ってそっと逃げていきます。
ジャンプコミックスに「ワンパンマン」という作品があるのをご存知ですか?マンガの中で主人公は人類最強なんですが、一匹の蚊を叩き潰すことができずに翻弄されたりして、笑っちゃいますよ。
私も小さい頃には外で遊んでいてヤブ蚊に刺され、そこがパンパンに腫れてしまったこともありました。血を吸うだけかと思って油断しているとこういうことも起こります。
ところで「O型の人は蚊に刺され易い」という話を聞いたことはないですか?血液型はA型だったりB型だったり違う場合もありますが、刺され易い血液型の噂はよく耳に入ってきます。
では本当にO型は蚊に刺されやすいのか?他に蚊に刺され易い人の条件はあるのか?などなど、気になる疑問をリサーチしてみました。
ぜひ最後までお付き合いくださいね。
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蚊に刺されやすい血液型の根拠はない
2018年現在、蚊に刺されやすい血液型というのは存在しません。多くの研究結果から蚊に刺されやすい血液型があると判断することはできないという結論が示されているからです。
「でもO型は蚊に刺されやすいって聞いたことがあるけど?」と思う人も多いでしょう。
長浜バイオ大学の永田宏博士によると、この話は1980年代に科学雑誌「ネイチャー」に掲載された論文が根拠になっているとのこと。
ネイチャー誌の論文では、西アフリカのガンビアに生息するハマダラカに地を吸わせる実験を行ったところ、O型が最も多く刺されたそうです。この結果を持って「O型が最も刺されやすい」という結論に至ったのだとか。
ところが1990年代になって研究者の間では、蚊は血液型で血を吸う相手を選ぶことはないと改めて結論付けられました。
でも蚊に刺されやすい人、そうでない人がいるのも実感として分かる話です。となると一体どんな人が蚊に刺され易いのでしょうか?
蚊に刺され易いのはこんな人
蚊に刺され易い人がいることは事実です。それは血液型ではなく、以下のような条件があると蚊に刺され易くなります。
- 体温が高く汗をかきやすい
- 体が大きい
- 妊婦
- 疲れている
- アルコールを飲んだばかり
- 黒っぽい服を着ている
これらのどれかに当てはまる人は、そうでない人よりも蚊に刺され易くなります。それでは「体の大きな妊娠中の女性が黒い服を着ているので暑くて汗をかき、アルコールを飲んだ直後」は相当に刺され易くなっちゃいますよね。
ではなぜこうした条件があると蚊に刺され易いのでしょうか?詳細を見ていきましょう。
子供が狙われやすいのは本当
蚊は体温や汗の臭いに反応して血を吸う相手を選んでいます。体温が高いほど、また汗の臭いなどの体臭があるほど蚊に選ばれやすくなるというわけです。
子供は蚊に刺され易いと言われます。子供は新陳代謝が活発なため大人よりも体温が高くて汗もかきやすいので蚊に刺され易いんですね。
子供だから蚊に刺され易い、という話にもこうしてちゃんと根拠があったなんて驚きですね。
疲れている人に寄ってくる
蚊は体内の「乳酸」という物質の臭いを嗅ぎ分けて寄ってきます。この乳酸が体内に溜まっている状態は疲れている状態と同じなので蚊に刺され易くなります。
「乳酸」とは疲労物質とも呼ばれます。筋肉を使い続けると体内のエネルギーが消費され、その後に出る残り滓のようなものです。疲れている時は体内に乳酸がたくさん溜まっているときなのです。
蚊は敏感にこの乳酸の臭いを嗅いで血を求めてやってくるんですね。だから疲れている人は乳酸の臭いを放出していて刺され易い、ということになります。
体が大きな人やスポーツマンも注意
生物が呼吸した時に排出される二酸化炭素も、蚊は敏感に嗅ぎ取っています。この二酸化炭素につられて血を吸おうとやって来る訳です。
体が大きな人はより多くの二酸化炭素を排出するため、蚊に刺されやすくなるということです。
体が大きくなくても肺活量が大きいスポーツマンなどはやはり二酸化炭素の排出量が多く、蚊に狙われやすいと言えそうですね。
ちなみに蚊が二酸化炭素を嗅ぎ分ける力は超敏感で、なんと50m離れた位置からも呼吸している人間のところにやって来るというから驚異的ですね。もう呼吸を止めておくしか蚊から逃げる方法はない気がします。
妊婦さんも気をつけよう
なぜ妊婦さん?と思ったでしょう?
実は妊婦さんはそうでない人と比較すると、およそ21%も多くの二酸化炭素を排出しているんです。
考えてみれば当然かも知れません。一人のようでいて実はお腹の中にちゃんともう一人の人間がいるんですから、二酸化炭素を多く排出するのも不思議ではないですね。
蚊はマラリアや日本脳炎などの病原菌を媒介するため、妊婦さんは蚊のいそうな草むらなどに近寄らないように気をつけましょう。
蚊は飲ん兵衛が大好き
体内でアルコールを分解する時に大量の二酸化炭素を排出します。このため、飲酒後は蚊に刺され易い状態になっています。
黒っぽい服にも寄ってくる
蚊は視覚を用いて白と黒を認識しています。そして光を反射する白よりも光を吸収する黒の方を好むことも分かってきています。
つまり黒や紺などの濃い系統の色の服装の人のほうが蚊に刺され易いことになります。
血液型は関係がなく、こんな意外な条件に蚊が引き寄せられているなんて意外ですね。
ちなみに血液型と性格に関係があるか興味がある人はこちらの記事もどうぞ。
意外と言えば、蚊には他にもすごく意外な話がたくさんあるんです。興味ないですか?
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驚異的な蚊の能力
小さな生き物である蚊ですが、知られざる力をたくさん持っていることが分かりました。以下をご覧ください。
- 蚊は1年で72万人の人間を殺している(人による殺人の1.5倍)
- 蚊は自分を叩こうとした人間の臭いを覚えて避けるようになる
- 蚊は刺そうと思った人間の姿を視覚で覚えて追いかける
- 蚊は服の上からでも血を吸う
- 秋に羽化した蚊は冬眠しながら6ヶ月も生きる
- 蚊が血を吸う時は風に乗ってすばやく近づく
- 血を吸った後はやはり風に乗って風下へと逃げる
- 家にいる蚊は人が寝たことを認識して刺しに来る
ざっと羅列しただけでもこんなにあります。
最初に書いた72万人を殺しているというのはマラリアなどの重篤化する病気を媒介するという意味で、東南アジアなど暑くて衛生が行き届いていない環境での話です。日本にはほとんどありませんのでご心配なく。
蚊の学習能力や認識能力の高さはとても昆虫とは思えないほどです。個人的にはせいぜい数日から数週間くらいの寿命だと思っていた蚊が、なんと越冬することがあるなんてビックリしました!
そんな蚊に刺されない方法は別の記事にまとめました。こちらからどうぞ。
まとめ
いかがでしたか?蚊に刺され易い人、刺されにくい人の条件が分かれば対策が取りやすくなりそうですね。
では今回の内容をおさらいしておきましょう。以下にまとめておきます。
まとめ
- 血液型により蚊に刺されやすいことはありません。
- 蚊は体臭、体温、二酸化炭素などを感知して近づいてきます。
- 他にもたくさんある、蚊の意外な能力をご紹介しました。
もうこうなったら、蚊に刺されない方法は水の中にでもず~~っと潜っているくらいしかないかもしれません。
でも私ならせいぜい数十秒でギブアップして「蚊に刺されたほうがマシだ!」って音を上げちゃうだろうなぁ。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
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