子供の頃、台風が来て暴風警報が発表になると何となくワクワクしませんでしたか?
「明日は学校が休みになるかな?」なんて期待しながら布団に入ったことが幾度となくありました。でもなぜか台風って夜の間に通り過ぎて朝にはいいお天気になってるんですよ。不思議ですね。
あなたが学生なら台風や暴風警報と聞くとやっぱり休校を連想するでしょう?あなたが社会人なら出勤の大変さを思い浮かべるのでは?
だけど天気予報をチェックしていると、すぐ隣の市は警報が出ているのにこっちは出ていないとか、ちょっと不思議に思うことがあるんですよ。
なぜそんなことがあるのか調べてみると、暴風警報が発表になる風速の目安にカラクリがあることが分かってきました!
ではそのカラクリとは?意外な事実にきっとビックリしますよ!
ぜひ最後までお付き合いください。
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暴風警報が発表になる風速の目安
暴風警報が出る風速は、実は市町村ごとに異なる目安があります。言い換えると全国一律の目安はないんです!
気象庁のHPから各自治体で基準としている風速を見ることができます。これをざっとあたってみると、平均風速20m/sから25m/sあたりを基準としているところが多いようです。
主だった地点の基準を拾ってみたら次のようになっていました。
- 北海道稚内市 陸上で20m/s、宗谷海峡で25m/s
- 宮城県仙台市東部 18m/s
- 東京都新宿区 25m/s
- 大阪府大阪市 陸上で20m/s、海上で25m/s
- 福岡県福岡市 20m/s
- 沖縄県那覇市 25m/s
仙台だけやや低めに基準を設定していますが、他は平均風速20m/sまたは25m/sになっていました。細かく見ていくともっといろんな基準があるのかもしれません。
注意したいのは、これらの基準に達した時に警報を発表するわけではないところです。
地方気象台が状況を見て、基準に到達すると予想される時に住民が適切な避難行動をとるのに十分な時間を考慮しながら発表しています。
だから台風の直撃が確実と思われる場合などには、まだ風が弱くてもかなり早めに発表することがあるんですね。
市町村ごとに異なっている理由
基準となる風速が異なっている理由は、同じ天候でもそれぞれの場所の状況や季節などによって被害の出方が変わってくるからです。
例えばひとつの台風が同じ勢力のまま通り過ぎた後、小さな田舎町と東京の新宿で全く同じ状況にはなっていないだろうと比較的容易に想像できるでしょう。
真夏の台風と春一番では風の強さが同じでも同じ様に扱うことはできませんし、真夜中に吹く風と出勤や登校の時間帯に吹く風では被害の出方が異なりますね。
こうした理由のもと、各地方の気象台がその地域の過去の災害と天候の状況の関係を念頭に置いて、都道府県の防災機関とも協議して注意報や警報の目安を定めているんです。
さて、暴風警報が出る目安があれば解除される時にも目安となるものがあるのでは?気になったので調べてみました。
暴風警報が解除される基準
暴風警報が解除(または強風注意報に切り替え)されるのは、前述の基準を下回ってかつ再び上回ることはないと判断される時です。
ここで基準とされているのは平均風速です。解除(または切り替え)された後でも、一時的には暴風なみの強い風が吹くことはあります。でもこれは瞬間最大風速ですので、解除には関係がないんです。
解除の基準はあくまで平均風速が問題とされる訳ですね。
ここまで読み進めてさらにこんな疑問が湧きませんか?では暴風警報と強風注意報の境目はどの辺りにあるのか?続けて見てみましょう。
暴風警報と強風注意報の境目
もうご想像がつくでしょうが、暴風警報と同様に、強風注意報も市町村ごと異なる目安を元に発表しています。上で取り上げた6地点での強風注意報の基準を見てみましょう。
- 北海道稚内市 陸上で13m/s、宗谷海峡で15m/s
- 宮城県仙台市東部 13m/s
- 東京都新宿区 13m/s
- 大阪府大阪市 陸上で12m/s、海上で15m/s
- 福岡県福岡市 12m/s
- 沖縄県那覇市 15m/s
つまり暴風警報から強風注意報に切り替えるのは、風が弱くなったけどしばらくはこの目安を超える風が吹くと予想されるときなんです。
台風による暴風警報の時は吹き返し等の恐れがあるため、ほとんどの場合でいったん強風注意報に切り替えた後で完全に解除されるんですね。
さて、気になるのは「どんな時に学校が休みになるか」ではないですか?暴風警報が出ているとどこも休みになるんでしょうか?
学校が休みになる基準
小学校、中学校、高校では暴風警報による自宅待機の基準は学校ごとに定めています。
そのため一律に言うことができませんが、一般的には次のようなルールになっています。私の過去の勤務校のルールを少しアレンジしてご紹介します。
- 当該自治体の気象台から暴風警報が発表されているときは生徒は自宅待機
- 登校前に発表された警報が続いている時、7時までに解除されたら通常どおりの授業
- 7時から10時の間に解除されたらその2時間後から授業
- 10時以降も警報が続いたら終日自宅で待機
- 当該自治体とは学校がある自治体または生徒の自宅がある自治体を指す
このようないわゆる「7時10時ルール」が一般的でしょう。
なお、生徒は「自宅待機」であって外出していいわけではありません。また先生はその日1日お仕事です(生徒がいないので有給休暇を取って帰宅する人も多いですが)。
ちなみに休日に行われる部活動の大会などにも同様のルールが定められており、大会が実施できなければ別の日に実施することになります。
ここまで暴風警報と強風注意報について見てきましたが、他の警報や注意報にどんな物があるのかも気になりませんか?ついでにチェックしてみましょう。
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他にもある警報と注意報
気象庁で定めている警報や注意報には三段階のレベルの物があります。強いものから特別警報、気象警報、気象注意報です。
特別警報は数十年に一度の大災害の時に発表されるもので、2013年に運用が開始されました。あまり見ないため馴染みが薄い種類の警報で、気象に関する特別警報が6種類、津波と地震に関するものが3種類あります。
さらに気象警報は7種類、注意報は16種類あってよく目にしますのでご紹介します。
大雨特別警報、大雪特別警報、暴風特別警報、暴風雪特別警報、波浪特別警報、高潮特別警報、大津波警報(3m以上の津波)、噴火警報(噴火警戒レベル4以上)と噴火警報(居住地域)、緊急地震速報(震度6弱以上)
大雨警報、洪水警報、大雪警報、暴風警報、暴風雪警報、波浪警報、高潮警報
大雨注意報、洪水注意報、大雪注意報、強風注意報、風雪注意報、波浪注意報、高潮注意報、濃霧注意報、雷注意報、乾燥注意報、なだれ注意報、着氷注意報、着雪注意報、融雪注意報、霜注意報、低温注意報
これらの警報や注意報の発表の基準はこちらのリンクから見ることができます。 ⇒ 警報・注意報発表基準一覧表
まとめ
いかがでしたか?
暴風警報が発表される風速の目安って自治体ごとに違ったんですね!てっきり全国で一律だと思っていたのでビックリしました。道理で隣の県は早く出たりするな、と妙に納得しちゃいました。
それでは今回の記事の内容をおさらいしておきましょう。
- 暴風警報や強風注意報が発表になる風速の基準は自治体ごとに定めています。
- 地方気象台が天候を予測して警報や注意報を発表します。
- 解除されるのは風が基準を下回って再び上回ることはないと判断される時です。
- 学校で生徒が自宅待機になる基準は各学校で定めていますが、「7時10時ルール」が一般的です。
- 気象庁で定めている特別警報、気象警報、気象注意報をご紹介しました。
暴風警報が発表になっても我々大人はお仕事が休みにはならないのが辛いところ!でも警報発表時には危険に遭わないようにに注意して出勤や帰宅をするに越したことはありませんね。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
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