秋の夜長の楽しみ方の一つに十五夜があります。お月さまを眺めて楽しむことは古くから行われてきた伝統行事で、なんと千年以上もの歴史があるんですよ!
このように日本人にとってお月さまは特別な存在でした。現代に生きる私達も、空気の澄んだ夜にきれいに出ている満月を見ると何か心に迫るものがあります。
あなたも美しいお月さまを見て感動した経験があるのでは?
私も子供の頃には家族で十五夜のお月さまにお供えをしたものです。でもある時、「あれ?満月じゃない?」って気がついた瞬間がありました。親に確認しても、十五夜の日を間違えたわけではありません。
後で分かったことですが、実は十五夜とは必ずしも満月ではなかったんです。
そんな十五夜ですが、気になるのは今年はいつにあたるかということ。2018年の十五夜は?満月になるの?など、調べてみたら面白いことが続々出てきました!
それではぜひ最後までお付き合いくださいね。
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十五夜はいつ?2018年はここ
ズバリ、2018年の十五夜は9月24日にあたります。
十五夜は月の満ち欠けが基準になっていた旧暦の8月15日に設定されているため、現在使われている暦では毎年異なる日になるんですね。
ちなみに2017年から2024年まで、各年で十五夜に当たる日はこの様になっています。
- 2017年 10月4日
- 2018年 9月24日
- 2019年 9月13日
- 2020年 10月1日
- 2021年 9月21日
- 2022年 9月10日
- 2023年 9月29日
- 2024年 9月17日
- 2025年 10月6日
ざっとこの様になっていますが、実は十五夜って必ず満月になるわけではないんです!上記のうちで満月になるのは2021年だけです。
では2018年の十五夜に最も近い満月はいつになるんでしょうか?
2018年の満月はこの日
2018年の十五夜付近の満月の日は、翌日の9月25日です。
十五夜の夜には1割程度欠けたお月さまですが、翌日にはクッキリハッキリ、見事な真円の満月になっている訳です。
でも十五夜としてお月さまにお供えをするのは9月24日。なんだか不思議な気がしませんか?
なぜそうなるのか?続いてはその理由を解説していきます。
十五夜が必ずしも満月ではない理由
十五夜の月が必ずしも満月とはならないのは、月の満ち欠けの周期と旧暦の一ヶ月の周期がピッタリと一致していない事が理由です。
前述の通り、旧暦は月の満ち欠けを基準に暦が作られていました。つまり新月(月が出ない)から次の新月の前日までを29日として、ちょうど真ん中に来るのが十五夜だったんです。
しかし、実際の月の満ち欠けはおおよそ29.5日の周期なんですね(厳密にはブレがあり、29.27日から29.83日で、平均すると29.53…日)。すると一ヶ月ごとにおよそ0.5日ずつのズレが生じてきます。
だからそのズレを修正するために、一月おきに交代で29日の月と30日の月を決めていました。それでもまだ月の満ち欠けとのズレがあったり12ヶ月が1年よりも短いため、閏年や閏月といったものを設定していました。
十五夜と中秋の名月の違い
結論から言うと、十五夜は旧暦の毎月15日の夜のことで、中秋の名月とは旧暦8月15日限定の夜に出る月のことです。
現在では十五夜=中秋の名月と認識されていますが、厳密に言うと十五夜は月に一度訪れる夜の名前、中秋の名月は年に一度見られるお月さまの呼び名なんです。
つまり、旧暦の十五日の夜は全て十五夜と呼ばれる訳です。中秋とはその中でも特に旧暦8月15日の事を指し、その夜に出る月を中秋の名月と呼んで観月をする風習がありました。
お月見の風習は9世紀頃に中国から日本へと伝来しました。この夜は宴や歌会などが催され、直接見て愛でる他に景色と合わせて見る、池に映った名月を鑑賞するなど風流な観月方法が追究されました。
ちなみに中秋と仲秋も異なります。
仲秋とは旧暦の8月全体を指す言葉です。だから仲秋の月と書けば、それは旧暦8月の間に毎夜見られるお月さま全てを指すことになります。
ところで、実はお月さまには満ち欠けの様子に合わせた風流な呼び名があるんです。続いてはそれらをご紹介します。
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十五夜前後の月の呼び方
十五夜の月以外のお月さまにも、それぞれの呼び名があります。特に十五夜の後の呼び名は次のようになっています。
- 16日目 十六夜(いざよい)の月 (いざよう(ためらう)ように遅めに出るから)
- 17日目 立待(たちまち)の月 (更に遅くなり、立って待つうちに出るから)
- 18日目 居待(いまち)の月 (座って待つうちに出るから)
- 19日目 寝待(ねまち)の月 (床に入って待つうちに出るから)
- 20日目 更待(ふけまち)の月 (夜もふける頃ようやく出るから)
他にも、月の満ち欠けとそれぞれに合わせた呼び名は次のようになっています。
- 1日目 新月、朔(さく)
- 2日目 二日月(ふつかづき)
- 3日目 三日月(みかづき)、眉月(まゆづき)
- 7日目 上弦(じょうげん)の月、弓張月(ゆみはりづき)、半月
- 13日目 十三夜(じゅうさんや)の月
- 14日目 小望月(こもちづき)
- 15日目 十五夜の月、満月、望月(もちづき)
- 16日目 十六夜の月
- 17日目 立待の月
- 18日目 居待の月
- 19日目 寝待の月、臥待の月
- 20日目 更待の月
- 23日目 二十三夜の月、下弦(かげん)の月、弓の下張り
- 26日目 下弦後の三日月、有明(ありあけ)の月
- 30日目 三十日月(みそかづき)
こんなにも多くの呼び名があるなんて驚きですね!
まとめ
いかがでしたか?十五夜と満月の関係ってとても面白いですね。個人的には、月の状態にそれぞれ名前をつけて呼んでいたというあたりに、昔の人のお月さまに対する思い入れが感じられて興味深かったです。
十五夜にお供えする月見団子の数や作法はこちらの記事に詳しくまとめましたので合わせてご覧くださいね。
それでは今回の記事の内容をおさらいしておきましょう。
- 2018年の十五夜は9月24日です。また2025年までの十五夜にあたる日をご紹介しました。
- 十五夜の月が必ずしも満月ではないのは、旧暦と月齢にずれが生じるからです。
- 十五夜とは毎月15日の夜のことで、中秋の名月とは旧暦8月15日の月のことです。
- 月の満ち欠けに合わせた呼び名をそれぞれご紹介しました。
十五夜にはお団子とススキをお供えして、みんなでお月さまを鑑賞するなんてとても風流です。涼しい秋の夜長の楽しみ方として守っていきたい慣習ですね。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
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