伝統文化

中秋と仲秋の違いはこれだった!名月を愛でるのはどっちが正しい?

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秋は空気が冴えて、夜空に浮かぶお月さまも冴え冴えと美しい光を放つ季節です。

中でも特に美しいのが十五夜のお月さまです。別名を「中秋の名月」と言います。

と、ここまで書いてちょっと混乱しちゃいました。「あれ?中秋の名月?仲秋の名月?どっちだっけ?」なんて。( ゚Å゚;)

あなたはどっちで書くのか、正しく覚えていますか?

私は自信がなくて、調べていくうちに面白いことがいろいろと分かってきたのでシェアしたいと思います!

それではぜひ最後までお付き合いくださいね。

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中秋の名月?仲秋の名月?

ズバリ、「ちゅうしゅうの名月」という時は、「中秋の名月」とするのが正しい書き方です。

「仲秋の名月」と書くのは誤りです。ただし、辞書によっては「中秋」と「仲秋」を一部ですが同じと見ているものもあります。

それでは具体的にはどの様に違うのでしょうか?続けてご覧ください。

中秋と仲秋の違い

中秋とは旧暦の8月15日のことを指します。対して仲秋とは旧暦の8月全体の別称です。

現代の暦と異なり、旧暦の一ヶ月は29日か30日でした。その真ん中の日が15日です。旧暦は月の満ち欠けを基準に一ヶ月を定めているので、各月の15日の月は完全な満月かほぼ満月でした。

中でも8月15日は秋の満月を見られる日として、「中秋の名月」と呼んでいました。この日に月見をする習慣が貴族の間で流行したのは平安時代、庶民が真似るようになったのは江戸時代の少し前です。

一方で仲秋とは秋を3ヶ月とした時の真ん中の月という意味です。7月を初秋、8月を仲秋、9月を晩秋と呼んでいました。

全て旧暦ですので、例えば旧暦8月1日を現代の暦に直すと8月20日頃から9月20日ころまでとなり、年によって1ヶ月ほどの幅があります。

さて、続いては辞書を使ってより具体的に違いを見てみましょう。

辞書の説明を見てみた

「中秋」と「仲秋」は原則的には異なりますが、辞書によっては区別して書いてあるものと一部を同じものとして書いているものに分かれています。

特に「中秋の名月」はあっても、「仲秋の名月」という表記は辞書にはありません

では具体的に見ていくために、まずは「中秋」と「仲秋」を別のものとして書いている辞書から引用してみましょう。

ちゅう‐しゅう〔‐シウ〕【中秋】

《古くは「ちゅうじゅう」とも》陰暦8月15日。「中秋の名月」

(出典:デジタル大辞泉(小学館)

 

ちゅう‐しゅう〔‐シウ〕【仲秋】

《古くは「ちゅうじゅう」とも。秋3か月のまんなかの意》陰暦8月の異称。

(出典:デジタル大辞泉(小学館)

このように、小学館のデジタル大辞泉では同じものとして扱ってはいません。

反対に一部を同じもののように書いてある辞書はこちらです。まずは中秋から。

ちゅうしゅう【中秋】 

① 〔「ちゅうじゅう」とも〕 陰暦8月15日の称。月見をする。 「 -の名月」

② 「ちゅうしゅう(仲秋)」に同じ。

(出典:大辞林第三版(三省堂))

続いては仲秋を見てみます。

ちゅうしゅう【仲秋】

〔「ちゅうじゅう」とも〕秋の半ば。秋三か月の中の月。陰暦8月の異名。仲商。中秋。 

(出典:大辞林第三版(三省堂))

というわけで、三省堂の大辞林では「中秋」の用法の中の一つに、「仲秋と同じ」と記載されています。

ところがよく読むと、「中秋」の一番目の用法には「陰暦8月15日の称。月見をする。 「 -の名月」」と書いてあっても、仲秋の方には月見とも名月とも書かれていないんですよ!

つまり、やはり「ちゅうしゅうの名月」という時は「中秋の名月」と書くのが正しくて、「仲秋の名月」は認めていないと読み取れます。

なかなかややこしいですね。いっそシンプルにこう覚えておきましょう。

  • 「中秋の名月」と書くのが正しい!
  • 手紙などの時候の挨拶は「仲秋」「中秋」どちらもOK!

ところで、旧暦の月の呼び方は現在とは異なるってご存知でしたか?

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旧暦の月の呼び方

旧暦では月の呼び方も今とは異なっていました。最も有名なのが「睦月、如月…」という呼び方です。中学校のときなどに暗記した記憶がありませんか?

この呼び方以外にも、実は「初春、仲春…」などという呼び方もあったんですよ。

一年を春夏秋冬の季節に分け、それぞれ1月から三ヶ月ずつとします。それぞれの季節の最初の月を「初◯」、真ん中を「仲◯」、最後を「晩◯」と呼びました。

例えば1月から3月が春となり、1月が「初春」、2月が「仲春」、3月が「晩春」となっていたわけですね。

一覧にしてみましたので、現在の呼び方や睦月、如月などと見比べてみましょう。

1月 睦月 初春
2月 如月 仲春
3月 弥生 晩春
4月 卯月 初夏
5月 皐月 仲夏
6月 水無月 晩夏
7月 文月 初秋
8月 葉月 仲秋
9月 長月 晩秋
10月 神無月 初冬
11月 霜月 仲冬
12月 師走 晩冬

これだけ見ると、6月が晩夏とか9月が晩秋とか、現在の季節感と大きくずれている気がします。

でも前述のように全て旧暦の月ですので、実際の季節感よりも一ヶ月から二ヶ月近く遅れていたと考えましょう。

まとめ

いかがでしたか?中秋と仲秋にはこんな違いがあったんですね!間違って「仲秋の名月」などと書かないようにしたいですね。

ちなみに旧暦を現代の暦に直すと一ヶ月ほどの幅ができる理由は、こちらの記事からご確認ください。

それでは今回の記事の内容をおさらいしておきましょう。

まとめ

  • 「中秋の名月」が正しい書き方です。
  • 中秋とは旧暦8月15日を指し、仲秋とは旧暦の8月全体を指します。
  • 辞書の中には一部の用法で中秋と仲秋を同じとしているものもあります。
  • 旧暦の月の呼び方をご紹介しました。

これで十五夜のお月さまの呼び方とか手紙の時候の挨拶とか、少しスッキリしたかな?「睦月、如月…」という呼び方も時々は思い返しておきたいところですね。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。

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