9月、10月には毎年の様に台風がやって来て大変な被害をもたらしていきます。特に沖縄や九州、四国などでは長時間にわたる暴風雨に悩まされることが多くて心配ですね。
あなたのお住まいの地域では台風被害は深刻になることが多いですか?
でもそれは日本だけではありません。メキシコやアメリカにやって来るハリケーン、インドのサイクロンなども台風と同じかそれ以上の被害をもたらすことで知られています。
さて、よく考えると台風とハリケーンとサイクロンってどんな違いがあるんでしょうか?
私自身、この年までそんなこともよく分からずに生きてきました。ちょっと恥ずかしいです…(*/ω\*)
そこで調べてみると、とても興味深い事実をたくさん発見することができました!
あなたとシェアしたいと思いますので、ぜひ最後までお付き合い下さいね。
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台風、ハリケーン、サイクロンの違いの決め手
台風とハリケーンとサイクロン。この三者の違いはズバリ、「どの地域に存在する熱帯低気圧であるか」が決め手となります。「存在する」とは厳密には「中心がどこにあるか」ということです。
台風は東経180度よりも西の北西太平洋および南シナ海にある熱帯低気圧です。
ハリケーンは北大西洋、カリブ海、メキシコ湾および西経180度よりも東の北西太平洋東部にある熱帯低気圧です。
サイクロンはベンガル湾および北インド洋にある熱帯低気圧を指します。
風速や規模の大小は関係がなく、どこに存在するかによって呼び方が変わってくるのです。
どれも同じ熱帯低気圧なのに、場所で呼び方が変わるなんて面白いですね。
それでは、例えばハリケーンが東経180度を越えて日本付近に来た時、呼び方はハリケーンのままなんでしょうか?
地域をまたいで移動すると呼び方が変わる
熱帯低気圧が地域をまたいで移動すると呼び方も変わります。台風と呼ばれる地域にサイクロンやハリケーンが入ってきた段階で台風となり、これを「越境台風」と呼びます。
2015年に日本に接近した台風17号は元はハワイ付近で発生してハリケーンへと発達した熱帯低気圧でした。これが勢力を保ったまま西進し、東経180度を越えた段階で台風17号と認定されました。
他にも1972年の台風29号が西に進んでサイクロンに変わったという事例もあります。
ところで、これらは全て小さな熱帯低気圧から発達するんですが、台風、ハリケーン、サイクロンってそれぞれどんな定義で決められるんでしょうか?
日本での台風の定義
日本での台風は、前述の場所にある熱帯低気圧のうちで「中心付近の最大風速(10分間の平均)17.2m/s以上」のものを指します。
ただし、最大風速がこの定義を越えている低気圧でも、構造が「熱帯低気圧」でない限りは台風とは呼ばれません。
日本付近で発生したものは「温帯低気圧」の構造を持っていることがほとんどですが、それだとどんなに風が強くても台風とはならないんです。
熱帯低気圧と温帯低気圧の違いはこちらの記事で詳しく解説しました。併せてお読み下さい。
続いてはハリケーンの定義をご覧下さい。
アメリカでのハリケーン
ハリケーンは前述の場所にある熱帯低気圧のうち、「最大風速(1分平均)が64ノット(約33メートル毎秒、約74マイル毎時、約119キロメートル毎時)以上」のものを指します。
日本の台風の定義よりも大きな最大風速で定義されているところがポイントですが、台風は10分平均の最大風速であるのに対してハリケーンは1分平均の風速により定義づけられていることに注意が必要です。
ハリケーンは台風よりも大きな被害をもたらす災害というイメージがありますが、実は定義上はハリケーンの方が強い熱帯低気圧なんですね。
それではさらにサイクロンの定義も見てみましょう。
インドのサイクロン
サイクロンは少しややこしいので、まずは「ベンガル湾および北インド洋にある熱帯低気圧」としてのサイクロンの定義から見てみましょう。
このサイクロンは前述の場所にある熱帯低気圧で、「最大風速(1分平均)が33ノット(約17メートル毎秒、約62キロメートル毎時以上」のものを指します。日本の台風と非常に近いですね。
ややこしいと書いたのは、実は広義のサイクロンと狭義のサイクロンの二種類があるんです。
広義のサイクロンとは、「低気圧」のことです。台風やハリケーンなどの熱帯低気圧も、それ以外の温帯低気圧も全て広義の「サイクロン」に入ります。
一方で狭義のサイクロンは上記の定義に当てはまるものを指し、広義のサイクロンと区別するために「トロピカル・サイクロン」と呼ばれることもあります。
まとめるとこうなります。
低気圧全般。
ベンガル湾、北インド洋にある熱帯低気圧のうちで最大風速が約17メートル毎秒以上のもの。トロピカル・サイクロン。
さて、調べるついでに台風、ハリケーン、サイクロンのうちで過去最強のものの比較をしてみました。続けてご覧下さい。
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過去最強の比較
過去のデータから、台風、ハリケーン、サイクロンのうちで中心気圧、最大風速、人的被害など特筆すべきものがあるものをご紹介します。
様々な観点があるため、単純に「これが最強だった」とは言えないところがありますので、見比べてみてご自身で判断をしてみて下さいね。
最強の台風
- 1934年9月15日~23日
- 最低気圧 約911hPa(上陸時)
- 最大風速 60m/s(上陸時)
- 人的被害 死者2,702人、不明334人
- 1959年9月21日~25日
- 最低気圧 895hPa
- 最大風速 75m/s
- 人的被害 死者4,679人、不明401人
最強のハリケーン
- 2005年10月
- 最低気圧 882hPa
- 最大風速 82m/s
- 人的被害 死者19人
- 2005年8月
- 最低気圧 902hPa
- 最大風速 80m/s
- 人的被害 死者1,833人
最強のサイクロン
- 2008年5月2日
- 最低気圧 962hPa
- 最大風速 66m/s
- 人的被害 10万人以上
ナルギスは他の台風やサイクロンと比較すると小規模なものでした。しかし人的被害が際立っているのは、上陸したミャンマーのインフラが脆弱だったことなど防災対策が不十分だったことが理由です。
まとめ
いかがでしたか?台風、ハリケーン、サイクロンの違いは何と「どこにあるか」が決め手だったんですね!同じズワイガニでも捕れるところで「越前ガニ」とか「松葉ガニ」と変わるみたいですね。
ちなみに台風の中心に目ができる理由はこちらの記事もご覧下さい。
それでは今回の記事の内容をおさらいしておきましょう。
- 台風、ハリケーン、サイクロンは「どこにあるか」により決まります。
- 台風、ハリケーン、サイクロンそれぞれの定義をご紹介しました。
- それぞれのデータから、過去において最も大規模と思われるものをご紹介しました。
夏から秋にかけては沖縄、九州、四国を中心に台風がやって来ます。備えを万全にして被害を抑えたいものですね。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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