この記事を読まれているあなたも、煽り運転の被害にあってとても嫌な気分を味わったことが一度や二度はあるのではないでしょうか。
自分は何も悪くないのに後ろから車間距離を詰められたりハイビームで照らされると、怒りとも不安ともつかないプレッシャーを受けるものです。
私自身も20年ほど前に、国道1号線を走行中に大型車に煽られた挙げ句に前に回り込まれて無理矢理停車させられた経験があります。まったく身に覚えがないことを責め立てられて困惑したことを覚えています。
法律が整備されてきた現在でもこうした煽り運転撲滅には到っていません。ならば自分の身は自分で守ることを考えませんか?
そこで調べてみると有効な対策方法がいろいろと分かってきたので大紹介しちゃいます!
ぜひ最後までお付き合いくださいね。
煽り運転の対策はコレ!
煽り運転の対策としては大きく次の二つに分けて考えることができます。
- 煽り運転の被害を受けないようにするための対策
- 煽り運転の被害を受けた場合の対策
この記事では上記の順番に解説を加えていきます。
まずは煽り運転の被害を受けないための対策をさらに二つに分けます。それは物的対策と後続車を刺激しない運転方法です。
これら全てを複合的に実践することで相乗的により高い効果を発揮することも可能です。まずは物的対策としてドライブレコーダーやステッカーを設置する方法です。続きをご覧下さい。
ドライブレコーダーの動画は証拠として有効
煽り運転の対策として最も注目されているのが、後方に向けてドライブレコーダーを設置する方法です。
ドライブレコーダー自体は2010年頃から徐々に広まり始めましたが、前方後方ともに設置するのは2017年あたりから認知度が高まってきています。
ドライブレコーダーを設置することには次のようなメリットがあります。
- 後続車のドライバーに「録画しているぞ」という無言のメッセージを伝えて煽り運転の心理を抑制する
- 実際に煽り運転の被害にあった場合にナンバーを確認できる動画を記録として残すことができる
- 警察に動画を提出すれば証拠となり捜査に動いてくれる
逆にこうした証拠が残っていない場合は後になって被害を訴えても難しい場合があります。やはりドライブレコーダーは運転する上での強い味方になってくれるものですね。
こうしたドライブレコーダーは前後方ともに録画できるタイプなら40,000円くらいから、片方だけに設置するタイプなら10,000円以下でも販売していますので、カー用品店やAmazonなどのネット販売店で探してみましょう。
ドライブレコーダーを使用する際に覚えておきたい注意点を一つ。
動画に映っている車やドライバーに無許可で動画サイトなどに投稿すると肖像権の侵害で訴訟を起こされるおそれがあります。それが悪質な煽り運転の相手であってもです。
やはり録画した動画は証拠として警察に提出するにとどめ、「顔やナンバーを世界に晒してやろう」などとは考えない方が良いですよ。
煽り運転対策のステッカーを紹介
おあり運転対策のステッカーとしては次のようなものがあります。
- 「ドライブレコーダー録画中」のステッカー
- 「赤ちゃんが乗ってます」のステッカー
- 「この文字が読める人は車間距離をとりましょう」のステッカー
こうしたステッカーを自車の後ろに貼っておくことで煽り運転の抑制をすることができます。
「ドライブレコーダー録画中」や「赤ちゃんが乗ってます」のステッカーは実際にはドライブレコーダーを搭載していなかったり赤ちゃんを乗せていなかったりしてもOK。後続車のドライバーには自然と「車間距離を開けた方がいいかな」という心理が働きます。
また「この文字が読める人は~」なんていうユーモラスなステッカーも販売されています。Amazonで「車間距離 ステッカー」で検索するといろんなバリエーションがあるので気に入ったものを使ってみてはいかが?
ここまではドライブレコーダーとステッカーという物的対策を紹介してきました。続いては煽り運転の被害に遭わないための運転の仕方を紹介していきます。
自分からきっかけを作らない運転
端的に言うと、「自動車教習所で習った安全運転」を実践することで煽り運転の被害に遭うのを防止することができます。
言い換えれば、「後続のドライバーに不要な刺激を与える運転を控えることで煽り運転を受けるきっかけを自分から作らないようにする」ということでもあります。
後続のドライバーに不要な刺激を与える運転とは次のような行為を指します。
- 無理な車線変更(強引な割り込み、ウインカーを出さない、急な車線変更など)
- タバコの吸い殻、ゴミ、液体などを窓から捨てる行為
- 過度なスピード超過による追い越し
- 必要以上のノロノロ運転
- 信号待ちで青に変わったことに気付かず停止し続ける
こうしたことはどれも道路交通法に違反していたり悪質なマナー違反だと言えます。また事故を誘発するおそれもあるため、後続車のドライバーの怒りに火を付けて煽り運転のきっかけとなるかも知れませんね。
こういう無用なトラブルを避けるために、誰かに同乗してもらって知らず知らずのうちに法律やマナー違反の運転になっていないかをチェックしてもらい、悪い所は素直に改善しておきましょう。
ちなみに車間距離の目安についてはこちらの記事に詳しく紹介しています。併せてご覧下さいね。
ここまで紹介してきたのは煽り運転の被害に遭わないための方法でした。続いては実際に煽り運転の被害を受けた場合の対処法を紹介していきます。
煽り運転の被害にあった場合の対処法
煽り運転の被害を受けた場合、次の3つのステップを踏んで対処することを覚えておきましょう。
- まずは深呼吸をして冷静になりましょう
- 路肩に停止したり左側に車線変更したりして後続車に道を譲りましょう
- 後続車から人が降りてきて詰め寄られたら迷わず110番に電話して助けを求めましょう
逆にやってはいけないことは煽られたら煽り返すといった子供じみた仕返し行為です。これをすると互いにヒートアップして事故を起こす危険性が増大するだけで何の解決にもなりません。
続いてはそれぞれのステップについての詳細を解説していきます。
まずは深呼吸をして冷静になる
煽り運転をされたとき、まずは自分自身が冷静になるように努めることが大切です。運転をしながらでも深呼吸を数回繰り返せば多少なりとも気持ちに余裕が出てきます。
そうしておいて「自分の運転に非はなかったか?」と自己分析をして、思い当たることがあれば改善した方がいいかもしれません。
煽り運転をされるとドライバーとしては大変なプレッシャーを受けます。恐怖心や後続車への怒りが混ざり合って混乱に拍車がかかり、視野狭窄に陥って普段はしないような運転上のミスを起こしがちになります。
こうしたことを避けるためにも、まずは冷静になって現状を把握することに最大限の努力をしましょう。
素直に道を譲る
冷静さを取り戻したら、路肩に停止して後続車に道を譲り先を行ってもらいましょう。ほとんどの場合はこれで終わりです。
後続車は先に行ってしまい、あなたは後続車からのプレッシャーから解放されて気分を楽にして運転を再開することができます。
中には「自分は何も悪くないのに煽り運転をする奴に譲りたくない」という心境に陥る人もいるでしょう。それも理解できる心理です。でもそういう場合は次のことを自分自身に問いかけてみましょう。
- 冷静で大人の対応をしたのは相手か自分か?
- 法律やマナーを守って安全運転に努めている優れたドライバーは相手か自分か?
- 逆に自分勝手で法律やマナーを無視した運転をしているのは相手か自分か?
- 事故やトラブルを起こす可能性が高いのは相手か自分か?
- 自分があのようなドライバーに対して頑なになる必要はあるか?
自分に非がないという自信があれば答は自明ですね。この際、相手のことを反面教師として自分の運転技術にさらに磨きをかけちゃいましょう。
さて、自分に非はない。煽り運転を受けて道を譲ろうとした。なのに後続車のドライバーが降りてこちらに近寄ってきた。こうした場合には次のように対処しましょう。
悪質な煽り運転は警察に通報しよう
煽り運転の加害者が自分の方に詰め寄ってきた場合、迷わず携帯電話から110番に助けを求めましょう。殆どの場合はこれで相手は立ち去ります。
相手が立ち去った場合はナンバーを忘れずに控えておいて警察官の到着を待ち、煽り運転の被害を受けたことを申告しましょう。
相手が立ち去らない場合は、警察が駆けつけるまでの間は絶対に窓やドアを開けずに相手をよく観察します。ボディを蹴られたり叩かれたりしたら、その時刻と車のどの部分を蹴られた、叩かれたといった簡単な記録も付けておきましょう。
駆けつけた警察官に対して煽り運転の被害にあった旨を伝えればその場で現行犯逮捕をしてくれます。
ただし、その後は事情聴取などで数時間の時間を要しますのでそれは覚悟をしておいて下さい。出勤途中など用事がある場合は職場や相手に電話で事情を伝えて遅れることを謝罪する必要もあるでしょうね。
「実際に110番に電話をかけるのはのはちょっと…」と躊躇する人は、110番をプッシュしてその画面を相手に示すだけでも効果があります。
実は、警察庁でも煽り運転の被害を受けたら110番することを推奨しています。以下、警察庁のウェブサイトからの引用です。
危険な運転者に追われるなどした場合は、サービスエリアやパーキングエリア等、交通事故に遭わない場所に避難して、ためらうことなく警察に110番通報をしてください。
これからは煽り運転の被害を受けて110番をすることはごく当たり前の行為になっていくと、私は予想していますけどね。
警察への通報の仕方についてはこちらの記事に詳しくまとめました。併せてご覧下さいね。
さて、煽り運転予防の対策と実際に煽り運転の被害にあった場合の対策を紹介してきました。ではそもそもどういう運転が煽り運転として認められるのか、自分が加害者にならないためにも根本の所をチェックしておきましょう。
煽り運転の基準を知っておこう
実は、煽り運転とは法的に明確な基準がありません。そのため一般的に言われているものを紹介するならば次のようになります。愛知県警作成のチラシからの引用です。
「あおり運転とは・・・」道路交通法上の定義ではありませんが、一般的に前方を走行する車に対して進路を譲るように強要する行為であります。
また、ウィキペディアの「あおり運転」の記事には次のような記述が見られます。
「あおり運転」とは自動車等の運転中に車間距離を極端に詰めたり幅寄せを行ったりする行為をいう。
続いては煽り運転の具体例を見ていきたいと思います。
煽り運転の具体例
いわゆる煽り運転をすると以下のような罪に問われる事があります。
- 車間距離不保持
- 急ブレーキ禁止違反
- 進路変更禁止違反
- 追越し違反
- 減光等義務違反
- 警音器使用制限違反
- 安全運転義務違反
こららの定義と罰則について個々に見ていきましょう。
車間距離不保持
前車が急に停止しても追突を避けるのに必要な車間距離を保持しないことを車間距離不保持と言います。
これに違反すると反則金と免許の減点が科せられ、支払いに応じなければ3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金刑に問われます。
急ブレーキ禁止違反
危険防止のためやむを得ない場合を除き、急ブレーキをかけることを急ブレーキ禁止違反と言います。
これに違反すると反則金と免許の減点が科せられ、支払いに応じなければ3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金刑に問われます。
進路変更禁止違反
後車のあるときに、その妨害となるような方法で進路変更することを進路変更禁止違反と言います。
これに違反すると反則金と免許の減点が科せられ、支払いに応じなければ5万円以下の罰金刑に問われます。
追越し違反
車両の左側を追越すことを追越し違反と言います。
これに違反すると反則金と免許の減点が科せられ、支払いに応じなければ3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金刑に問われます。
減光等義務違反
車両型の車両とすれ違う場合や直後を進行する場合で他の車両の妨げとなる場合にヘッドライトを消したりロービームにするなどの操作をしない事を減光等義務違反と言います。
これに違反すると反則金と免許の減点が科せられ、支払いに応じなければ5万円以下の罰金刑に問われます。
警音器使用制限違反
法令の規定により警音器をならさなければいけない場合以外で警音器を鳴らすことを警音器使用制限違反と言います。
これに違反すると反則金と免許の減点が科せられ、支払いに応じなければ2万円以下の罰金刑に問われます。
安全運転義務違反
ハンドルやブレーキ操作を確実にしないことや、他人に危害を及ぼさない速度と方法で運転しないことを安全運転義務違反と言います。
これに違反すると反則金と免許の減点が科せられ、支払いに応じなければ3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金刑に問われます。
まとめ
いかがでしたか?煽り運転の対策について様々とご紹介しました。併せてどういう行為が煽り運転として認知されるのかについても触れてきました。
私自身、知らず知らず煽り運転と言われる行為をしないように一度自分自身の運転をよくチェックしておきたいと思います。
それでは今回のをおさらいしておきましょう。
- 煽り運転を防止する方法として、ドライブレコーダーやステッカーの設置、法令やマナーの遵守を紹介しました。
- 煽り運転の被害にあった場合の対処法を紹介しました。
- 悪質な煽り運転にはためらわずに110番しましょう。
- 煽り運転は明確な法的定義はありませんが、一般的に言われているものを紹介しました。
- 煽り運転に該当する違反行為とその罰則を紹介しました。
世間から煽り運転を一掃して全てのドライバーが気持ちよく運転できる日本を作りたいものですね。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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