はじめに
9月から11月にかけて日本の各地で秋の祭りが盛んに行われます。
この秋祭り、どのような由来で行われているのか。誰が何に対して祈祷をするのか。祭り見学の際の作法とはどんなものか。
多くの人が疑問に思っていることをまとめてみました。
祭りの種類と秋祭りの由来
そもそも神社での祭りとは年に一度の事ではありません。
日ごと行われる日供祭や月ごとに行われる月次祭から、数年~数十年に一度行われる式年祭など様々あります。伊勢神宮で20年に一度行われる式年遷宮祭は有名ですね。
秋祭りはこれらのうちの一つで、正しくは秋季例祭または例大祭と呼びます。春祭りは春季例祭(例大祭)、夏なら夏季例祭(例大祭)といった具合です。
秋祭りは、収穫を祝って鎮守の神々に収穫物を奉納し感謝を捧げるという意味を持っています。また、昔は秋祭りのために膨大な時間を費やして準備をしてきました。
この準備期間と祭りそのものを通して、地域の結束を固めるという意味合いもあります。
ちなみに、春季例祭と秋季例祭の両方を毎年行う神社もあります。有名な所では靖国神社などがああります。
祭りは誰が行うのか
厳密な意味での祭りとは、宮司が祭神に対して祈祷を捧げることとそれに伴う神事(神輿、相撲や歌舞伎奉納)を指し、それ以外の踊りや花火などの出し物は余興となります。
つまり、祈祷を捧げる宮司と、神事としての神輿担ぎや相撲奉納等を担当する地域の青年を中心とする住民、そして神事と余興を取り仕切る氏子総代、この三者によって行われると言えます。
現代では余興と神事との境界が曖昧になったり、余興の方がメインの様な扱いとなって、地域の女性・子供や地域以外の住民も参加することが一般的となってきました。
秋祭りが多く行われる時期
やはり9月下旬から11月上旬が秋祭りのピークになります。
宮中祭祀の一環である新嘗祭が11月23日に行われることから、その先鞭をつけるという意味合いでもあります。
日本の主な秋祭り
岸和田だんじり祭(大阪府岸和田市)
勇壮な引き子たちがだんじりを曳行させることで有名な祭りです。
スピードに乗ったままのだんじりの方向転換をする豪快な「やりまわし」は毎年けが人を出すなど、危険な側面もあります。
毎年9月に行われます。
長崎くんち(長崎県長崎市)
中国等東アジアやオランダ、ポルトガルの文化からの影響を強く受けている、一風変わった祭りです。
見所の一つに「龍踊り(じゃおどり)」があり、龍が玉を追いかけて捕まえる所を再現しています。
10月7日から9日までの3日間にわたって行われます。
時代祭(京都府京都市)
日本三大祭りの一つとして有名な平安神宮の例大祭です。
歴史は浅く、1895年(明治28年)に平安神宮創建の年に第1回が行われました。
8つの時代(明治、江戸、安土桃山、室町、吉野、鎌倉、藤原、延暦)の衣装を身につけた一行が街を練り歩きます。
10月15日から22日まで行われ、23日が後夜祭となります。
高山祭(岐阜県高山市)
春に行われる「山王祭」と秋の「八幡祭り」の総称です。
この地方では山車のことを「屋台」と呼び、23台の屋台は重要民俗文化財に指定されています。
各屋台にはからくり仕掛けが施され、様々な演技の人形を楽しめます。
10月9日~10日に行われます。
秋祭り見物の作法
祭りを見学・参加するときの作法をまとめてみました。
- 御神輿は神様の乗り物。通過するときに「二礼二拍手一礼」を。
- 御神輿は高い所から見下ろしてはいけない。
- 「わっしょい」=「和を背負う」。見学の人も一緒に「わっしょい」のかけ声を。
- 無礼講だからといってゴミをポイ捨てしない。人に迷惑をかけない。
マナーを守って楽しく見学・参加をしましょう。
まとめ
秋祭りの由来から種類、秋祭りピークの時期、有名な秋祭り、見学・参加の作法等をまとめてきました。これらを知った上で秋祭りに参加すれば、これまでとは味わい方も変わってくるのではないでしょうか。
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