暑くなってくると、「海が俺を呼んでるぜ!」なんていう人があなたの周りにもいませんか?
そんな人達が熱く熱く海について語っているのを聞いてると、なんだか自分までワクワクしてきたりして。
でも一方で毎年海で痛ましい事故が発生している事も事実です。
私は田舎が海から遠かったため、子供の頃に海水浴はあまり経験がありません。でも川遊びへは頻繁に行きました。そして自分の力を過信して溺れたこともあります。その時は近くにいた大人に助けられましたが。
川で溺れるのってものすごい恐怖ですよ!でも海で溺れたらもっと恐ろしいんだろうな、って想像しちゃいます。
ではそんな海の事故が起きる原因は何なのか、気になってリサーチしてみました。
ぜひお付き合いくださいね。
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海の事故の原因はこれ
海で起きる水難事故は無知からくるものが殆どと言っても過言ではありません。正しい知識が無いことが過信につながり事故へと発展し、悪くすると死亡者が出ることもあります。
では何に対する無知が水難事故の原因となるのかをリストアップしてみました。
- 海水浴場に指定されていない場所の危険
- 飲酒して遊泳する危険
- 溺れている人を助けに水に入る危険
これらを知らないことがどうして水難事故の原因になるのか、以下に詳しく解説していきます。
海水浴場以外の場所で泳いではいけない
どんなに波が立っていないように見えても海水浴場以外の場所で泳ぐのは極めて危険です。一見静かに見える海は、実は水流が止まっているわけではありません。
そこにはあなたを引きずり込もうとする恐ろしい罠が仕掛けられているのです。ではその罠とは一体何でしょうか?
恐怖の離岸流
離岸流とは岸へと打ち寄せてくる海水を沖へと戻す流れのことです。
風によって波を岸へ向かわせる力が働きます。岸に到達した波はそこにとどまっておらず、一旦90度向きを変えて左右に逃げ、さらに90度向きを変えて沖へと戻っていきます。
この沖へと戻る流れが離岸流です。離岸流は地形に寄ってできやすい場所がありますので、一旦離岸流ができるといつも同じ場所で沖へと流れていく傾向になります。
離岸流を見分けるにはは、まず海全体を見渡してください。他の場所は白い波が立っているのに一部だけ波が立たない場所があればそこに離岸流ができている可能性が高いです。
こうした場所には近寄らずに、泳ぐのは指定の海水浴場だけにしましょう。
でも何かの拍子に離岸流に流されてしまったらどうしたら良いと思いますか?
離岸流に捕まった時の対処
離岸流に流されたら無理に泳いで戻ろうとしてはいけません。最終的には体力を消耗して溺れてしまうからです。
無理に泳がずに体を浮かせてしばらく流れに任せましょう。程なく流れが弱くなってくるので、岸と平行に泳いで離岸流から離れます。体が押し流されなくなったら岸へと向かって泳ぎましょう。
離岸流の流れの速さは毎秒2mで、逆らって岸に戻ろうとするのはほとんど不可能です。例えば高校生の水泳部員なら50mを25秒で泳げるでしょうが、岸に着くまで何分も全力で泳ぎ続けられますか?
一方で離岸流の幅は30m程度です。流れに逆らって泳ぐことは無理でも、流れが弱くなったところで離脱することは難しくありませんよね。
実は海の流れにはもう一つ、恐ろしいものがあるんです。続けてどうぞ。
海底に引き込む逆潜流
逆潜流とは、岸に到達した波が下方へと逃げて海底の傾斜に沿って沖へと戻っていく流れのことです。
この流れに下半身を取られるとまず立っていられなくなり、その後まるで下へと引きずり込まれるようになって沖へと流されていきます。その流れの速さはなんと離岸流の10倍とも言われています。
また、急に足をすくわれるためパニックになり溺れてしまうケースもあります。
逆潜流は外から見分けることができません。また浜辺など比較的安全な場所でも、海底の傾斜が急に深くなっているポイントで起こりやすくなるのも特徴です。
では不幸にして逆潜流に遭遇してしまった時の対処を続けてお読みください。
逆潜流への対処
逆潜流に捕まってしまった時はまずは慌てないこと。息を止めて一旦は流れに任せましょう。
逆潜流の流れは速いけど離岸流ほど遠くへは流されません。動かないまま少し沖へ流されたら泳いで離れることができる程度に流れが弱くなりますのでそのチャンスを待ちましょう。
飲酒遊泳の危険
飲酒後に遊泳することは自殺行為です。絶対にやめましょう。特にアルコールに強いという自信がある人ほど、飲酒遊泳で命を落とすリスクが高くなっているのをご存知でしたか?
少し飲んだだけだから大丈夫。火照った体を冷やすだけ。こんな考え方が一番危険で、ほろ酔い状態で水に入ったことによる水難事故が毎年夏には多発します。
では飲酒遊泳は何故そんなに危険なのでしょうか?
飲酒で起こる変調
飲酒をすると自覚している以上に体に変調をきたします。どのような変調があるかは次の通り。
- 判断力、注意力低下⇒自制心喪失、自信過剰
- 運動能力の低下⇒思っているほど泳げない
- 細かい作業力の低下
- 言語力低下⇒ろれつが回らない
- 視野狭窄⇒周りの状況がわからない
- 平衡感覚低下
1から順に6までの変調が起こってきます。飲酒で気が大きくなっていることに加えて知らないうちに体が動かなくなり、周りの状況が分からなくなって咄嗟の判断や機敏な行動ができなくなります。
こうした変調に加えて飲酒による脱水状態で泳ごうとしたらどうなるか、簡単に想像できますよね?
そう、筋肉の痙攣などが起こって体が動かせなくなり、そのまま溺れてしまったりします。
繰り返しになりますが、飲酒後の遊泳は絶対にしてはいけません。
最後に、人助けをしようとして自分が危険に陥るパターンです。どんなケースがあるのか見てみましょう。
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溺れている人を助けようとして二次災害
溺れている人を助けようとして飛び込むと、自分も溺れる恐れがあります。河川環境管理財団の統計によると、助けようとして二次災害にあった人の約76%が死亡または行方不明となっています。
でも溺れている人を見たら何もしない訳にはいかない。それではどうしたら良いんでしょうか?
専門家に救援を求める
誰かが溺れたら無理に助けに行こうとせずに、まずは専門家に救援を求めましょう。海水浴場ならライフセーバーが待機・監視をしてくれているはずです。そちらに大声で助けを求めましょう。
水に入らないでいい方法を探す
周りにライフセーバーがいない時は、棒きれやロープを差し出したり浮き輪を投げ入れるなど、自分が水に入らないで済む方法を探しましょう。
また専門家でなくとも周りの人に助けを求め、複数で協力しあって救助を試みることが大切です。
泳いで助けに行く場合はこうする
水に入って助けないといけない場合は、闇雲に近づくと体を掴まれて一緒に溺れてしまうリスクが生じます。
溺れている人の正面からではなく、背後から近づいて相手の脇の下から胸を抱きかかえる形で確保し、顔が水の上にでる形にしてそのまま暴れなくなるのを待ちます。
そのままゆっくりと足で泳いで浅瀬まで連れていきましょう。
まとめ
いかがでしたか?あなたの疑問解消のお役に立てたでしょうか?以下にまとめておきます。
まとめ
- 海の事故の原因は無知にあります。
- 離岸流、逆潜流という流れがあることを意識しましょう。
- 飲酒後の遊泳は絶対にやめましょう。
- 溺れている人を助けるために無闇に飛び込むことは控えましょう。
海での事故が少しでも減ることを願っています。最後までお付き合い頂きありがとうございました。
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