梅雨があけると同時に騒ぎ出す奴らがいます。それは夏が大好きな夏男と夏女。
ではなく、セミたちです。彼らは季節の感覚がとても鋭く、梅雨があけた瞬間にミンミンジージーと騒ぎ出します。
私も毎年セミの鳴き声を聞いて、「ああ、かき氷でも食べに行きたいな」って気分になるんですよ!(*´∀`*)
あなたは蝉の鳴き声を聞いて五月蝿いと思いますか?それとも夏が来たという季節を感じますか?
セミの一生は短いと言うけれど、実は土の中にいる期間がとても長いという話も聞いたことはあります。一体どっちが本当なの?って気になりますね。
そこで調べてみたらとても興味深い事実がたくさん分かってきました!果たしてセミの寿命は長いのか?
ぜひ最後までお付き合いくださいね。
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セミは寿命が長い虫
実はセミは一般に言われているより長い寿命を持つ虫です。その理由は、幼虫期に数年間を土の中で過ごすからです。
また成虫となってから死ぬまでも1週間ということはなく、野外でなら2週間から4週間は生きることが分かっています。
セミの成虫の寿命は1週間と言われてきました。その理由はセミは飼育が難しく、捕獲すると気温差や飢えに耐えられずすぐに死んでしまうところにあるようです。
では日本に生息している主なセミはそれぞれどのくらいの期間を土の中で過ごすのでしょうか?
セミの幼虫は数年を地中で過ごす
一説によると、日本に生息するセミで長い幼虫期を過ごすのはニイニイゼミとクマゼミだそうです。
曖昧な言い方になるのはセミの幼虫期の長さはまだよく分かっておらず、研究者により7年だとか2~3年だとか異なる説が唱えられているのが現状だからです。
比較的信頼できそうな説としては、ニイニイゼミは孵化した後に3~5年、クマゼミは4~5年の幼虫期があり、どちらも4年が多いということです。
次いで幼虫期が長いのがアブラゼミ、ミンミンゼミです。これらのセミは、3~4年を土の中で過ごします。
ヒグラシとツクツクボウシは比較的短く、1~2年で幼虫期を終えて地上へと出てきます。
数字に振れ幅があるのは前述のようによく分かっていないことと、個体差や地域差により幼虫期の年数が一定ではないためです。
同じ種類のセミでも幼虫期の年数に最大で2年もブレがあるなんて、他の生物にはちょっと見られない特徴かもしれませんね。
幼虫は木の根から樹液を吸って栄養補給をしています。あまり栄養にならない気もしますが、土の中でほとんど動かないからこれで十分なのでしょう。
そして頃合いを見計らって土から出てきて脱皮を終えると、晴れて成虫として飛び立ちます。このわずか数週間でパートナーを見つけて交尾し、子孫を残して死んでいくんですね。
その儚いセミの成虫の期間をもう少し詳しく見てみましょう。
セミが成虫になってから死ぬまで
セミの成虫に与えられた寿命は最大で4週間ほどです。この期間にパートナーを見つけて交尾します。その後メスは卵を生み、雌雄ともに寿命が尽きるまで子孫を残す努力をします。
セミのオスは成虫になっても2~3日の間は未成熟のため、十分な鳴き声を発することができません。
2~3日を生き延びて大きな鳴き声を発するようになると、鳴き声に引かれたメスが近くによってきます。そして互いに自分に合ったパートナーと認めると後尾をします。
セミの雌雄はほぼ1:1で生まれて来ます。そしてオスは複数回の交尾が可能ですが、一方のメスは一生に1回しか後尾をしません。すると計算上は約37%のオスは交尾をすることなく一生を終えるのだとか。
交尾を終えたメスは枯れ木に止まって産卵管を幹に突き刺して卵を生みます。
ニイニイゼミなど早いものはその年の秋に孵化をしますが、多くの種類は翌年の梅雨ころに孵化をします。そして幼虫となって地中に潜り成虫になる機を伺うんです
ところで、外国には13年、17年といった超長寿命のセミもいるんです!このセミ、実はとても意外な秘密を持っていました。
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13年ゼミ、17年ゼミの真実
13年、または17年周期で成虫が大発生するセミが北アメリカ大陸に存在します。これらを総称して「周期ゼミ」と呼びます。13とか17とかいう素数の周期で発生するため「素数ゼミ」とも呼ばれています。
なぜこの様な中途半端な周期で、しかも正確に大量発生するセミがいるのか長い間の謎でした。しかし1970年代になってその理由を突き止めた学者たちがいました。
素数の年に大発生する理由
周期ゼミが大量発生するの理由は、「同時に大量に発生することで、個体が捕食されるリスクを減らす」ことにあります。
そして素数周期である理由には二つの仮説があります。
- 2年や3年の周期で発生する寄生虫のリスクを減らす
- 他の周期のセミとの交雑がなくなり、結果として素数周期のセミだけが生き残った
上の仮説によるとこうです。セミに寄生する生物には2年、3年といった周期で発生するものがいます。2年の寄生虫と13年ゼミの発生年がかぶるのは26年に一度、17年ゼミだと34年に一度です。
3年周期の寄生虫とかぶるのは13年ゼミが39年に一度、17年ゼミは51年に一度です。
これが13年でなく12年周期のセミだと、発生するたびに2年の寄生虫とも3年の寄生虫ともかぶってしまい、そのたびに絶滅の危機に瀕します。つまり周期ゼミは寄生虫によって絶滅させられるリスクが極端に少ないのです。
また下の仮説によるとこうです。セミは交雑することで発生の周期が変わります。しかしそうして新たな周期で地表に現れたセミは一緒に出てくる仲間が少なく、自分が捕食されるリスクがとても大きいのです。
またせっかく地表に出てきても交尾するパートナーを見つけにくく、結果として新たな周期のセミは長続きしませんでした。
その点、周期ゼミは同じ周期で大量発生するために捕食されるリスクを減らして、なおかつパートナーも選び放題です。結果として周期ゼミの仲間が純粋培養されて今日まで残ってきたということです。
どちらの仮説が正しいかはまだ分かりません。しかし周期ゼミ達が今も生き残って13年とか17年ごとに大発生していることを考えると、彼らは上手く環境に適応できたようです。
まとめ
いかがでしたか?意外なほど長かったセミの寿命ですが、成虫になった彼らはとても大変な人生の残りを過ごしていたんですね。
もし自分が17年ゼミだったら、土中に17年もいる間に退屈で死んじゃうかもです。
それでは今回の記事の内容をおさらいしておきましょう。
- セミの寿命は幼虫期が1年~5年、成虫になってからは最大で4週間ほどです。
- 幼虫期の年数は諸説ありますが、長いのはクマゼミ等で4年ほど、短いのはヒグラシ等で1年ほどです。
- 成虫になるとパートナーを見つけて交尾、産卵し、一生を終えていきます。
- 13年や17年の周期で大発生する周期ゼミという種類のセミもいます。
セミの発生周期に素数が関係しているなんてとても面白いですね。他にも自然界にこうした事があるか興味が湧いてきました!
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
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