「松竹梅」と聞いてあなたは何を思い浮かべますか?
私はと言うと、真っ先に思い浮かんだのは日本酒の銘柄です。だってお酒好きなんだもん。r(^ω^*)))
元々は日本酒の「松竹梅」って銘柄も、縁起の良い名前と言うことで付けられたもののようです。
確かに、お寿司屋さん、うなぎ屋さん、そば屋さんなんかでメニューを見ると「握り(松)」なんて書かれています。
このランク付けってどんな風にして決まったのか気になりませんか?
そこで調べてみたらとても興味深い事実がたくさん分かってきました!
その情報をあなたとシェアしたいと思いますので、ぜひ最後までお付き合い下さいね。
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松竹梅のランク付け
松竹梅のランク付けは、江戸時代にこの順番が確定しました。
現代では松竹梅は縁起物としてお正月の門松や七五三の千歳飴の袋のデザインなどに使われています。
同時に、お寿司屋さんやウナギの蒲焼きの店などでは料理のランクを表す言葉として使われています。
一般的には松が最上等で最も高価なもの。竹は真ん中で値段もそこそこ。梅はやや見劣りする内容だけどお手頃価格。こうした認識ですね。
実は松竹梅のルーツは古く、13世紀の中国にまで遡ることができます。
続いてはそんな松竹梅の歴史的経緯を見ていきましょう。
松竹梅でランクを表す経緯
松竹梅というランクの付け方は、中国画のテーマである「歳寒三友(さいかんさんゆう)」にルーツを見て取ることができます。この「歳寒三友」を画題とした絵は、13世紀(宋代)の作品に有名な物があります。
歳寒三友とはまさに松竹梅のことを指しています。松と竹は寒い中でも緑を保ち、梅はまだ寒い冬の終わり頃に花を咲かせます。そのためこれらは「清廉・潔白」という文人の理想を表す物と捉えられていました。
ちなみに当時は現代の日本のような「めでたさ」を表す物ではありませんでした。
日本では、平安時代に松が「冬でも緑が褪せない=不老長寿の象徴」と認識されました。
その後、室町時代にはそこに竹が「すくすく育つ=子孫繁栄の象徴」として加わり、江戸時代に梅が「一つだけ冬に花を咲かせる=気高さと長寿の象徴」とされるようになりました。
ただ、縁起物としてはこれら三つには上下はありませんでした。それがどうして現代のようにランク付けに使われるようになったのか、続いて見ていきましょう。
日本では遊郭でランク付けを表した
ランク付けとしての松竹梅は江戸時代に遊郭で使われたことが発端とする説があります。
京都の嶋原や大阪の新町というところには遊郭があり、そこで働く遊女にはランクの上下がありました。ランクが高い方から「太夫(たゆう)」、次いで「天神」、さらに「囲(かこい)」となっていました。
これらの格付けを表す言葉として、「松=太夫」、「竹=天神」、「囲=梅」とされたと言われています。
こうした表現をすし屋さんやそば屋さん、うなぎ屋さんなどでも取り入れたものが現在でも使われています。こうした店でいつから使い始めたのかははっきり分かっていません。
考えてみると、お寿司屋さんで「特上ね!」って注文すると、周りのお客さんに「イヤな奴だ」と思われそうで気が引けます。逆に「こっちは並で」って言うのもセコいと思われそうですね。
そこで「松一つ!」とか「梅でお願いします」なんて注文するのは粋な気分になります。江戸時代に遊郭に出入りしていた人たちも、遊女さんを「松の位」などと呼ぶのが粋でイナセだったんでしょうね。
さて、それでは元々は上下のなかった松竹梅の筈なのに、なぜ松が最上等で次いで竹、梅という順番でランク付けを表すようになったのでしょうか?
松竹梅の順番の意味
松竹梅の順番は、日本で縁起物として認識されるのが古い順にランク付けの上下を表すようになったと考えられています。
前述したように、松は平安時代からです。竹が室町時代からで、梅は江戸時代から。つまり日本で定着した順に「縁起が良いもの」という認識が広まったということですね。
本来は上下はないはずですので、「梅竹松」の順でも構わなかった筈なんです。だけどやっぱり古くから縁起物として知られていた松が一番で、次いで竹、梅という順番になったのも自然なことだったのかも知れません。
ちなみに、地域やお店によっては梅が最上等を指すこともあります。松竹梅の順番が絶対的な物ではないことの例ですね。
そうなると気になるのは、松竹梅の後に続く言葉があるんでしょうか?続いてご覧下さいね。
松竹梅に「続き」や「さらに上」はある?
結論から書くと、松竹梅には続きもさらに上も存在しません。あくまで松竹梅は三つでセットなのです。前述の「歳寒三友」が由来だからですね。
でもホテルの宴会場の名前などには「松」「竹」「梅」意外にも「福」、「禄」、「寿」、「雪」、「月」、「花」などが使われています。
これらは松竹梅の続きやさらに上ではなく、おめでたい言葉を部屋の名前として割り当てたという訳です。
ちなみに「福禄寿」と三つつなげると、七福神というおめでたい七人の神様の一人の名前になります。
また「雪月花」つなげると中国や日本の書画で好まれるモチーフで、美しい自然を代表するものとして知られています。
さらに余談になりますが、私が子供の頃に通っていた小学校ではクラスの名前を「月組」「雪組」「花組」「松組」としていました。なんだか宝塚歌劇団みたいでちょっと変ですね。
ここまで松竹梅について見てきましたが、松竹梅以外でランク付けする言葉があるのかが気になってきました。調べてみた結果をご覧下さい。
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松竹梅以外のランク付けの言葉
松竹梅以外でランク付けを表す言葉は意外と沢山あることが分かりました。一覧にしましたので参考にどうぞ。
- 金銀銅(ゴールド・シルバー・ブロンズ)
- ブラック・プラチナ・ゴールド(クレジットカードから)
- 甲乙丙
- トリプル・ダブル・シングル
- ギガ・メガ・シングル
- ヘビー・ミドル・ライト(ボクシングの階級)
- ファースト・ビジネス・エコノミー(飛行機の座席)
- 特撰・上撰・佳撰(日本酒のランク)
一覧の中にはカタカナ言葉も沢山あります。これらは実際に英語でも使うことができる物でしょうか?
英語でのランクの表現の仕方
カタカナ言葉でのランク付けは英語で通じる物と通じない物があります。
上記のうち、クレジットカードのランクは「platinum card」、「black card」、「gold card」等として使われていますし、ボクシングの階級も「heavy weight」、「middle weight」、「light weight」となっています。
飛行機の座席やトリプル・ダブル・シングルといった言葉もそのまま使えそうです。
ただ、「ギガ・メガ・シングル」などはおそらく通じにくいでしょう。誰かが考案した和製英語である可能性が高いと思われます。
さらに、「松竹梅」を直訳して「pine」「bamboo」「plam」として使ってもおそらく通じないでしょう。
お寿司屋さんやうなぎ屋さんなどでは「松=premium」、「竹=special」、「梅=standard」等と表現する方法があります。
また、例えばスポーツジムなどのコースとしては「advanced(上級者)」、「intermediate / basic(中級者)」、「beginning / entry(初心者)」などがあります。
さらに余談になりますが、ワインにも独特なランク付けの表現があるってご存じでしたか?
ワインの熟成の度合いによる表現
ワインにもその熟成の度合いにより異なる形容詞を用いることがあります。それは次のような簡単な物です。
- young(早すぎる)
- early(少し早い)
- mature(飲み頃)
- late(飲み頃を過ぎた)
- past(遅すぎ)
ね?簡単でしょ?ほとんどが中学校で習う単語で表現されています。
ちなみに赤ワインは1~7年、白ワインは1~3年で飲み頃がやってくるとされています。かなり幅がありますが、実はこればかりは実際に開けて飲んでみないと分からないんですよ。
まとめ
いかがでしたか?松竹梅って普段何気なく使っているけど、実はこんな由来があったんですね!
個人的には英語で表現するときの「premium」「special」「standard」というのが面白いなと思いました。松竹梅は日本語らしい婉曲表現で、英語にするとストレートな表現になるんですね。
それでは今回の記事の内容をおさらいしておきましょう。
- 松竹梅は中国画のテーマ「歳寒三友」に由来します。
- 現在のようにランク付けとして使った松竹梅は、江戸時代の遊郭が発祥です。
- 松竹梅の順番は、古く定着した物ほど良い物とされたようです。
- 松竹梅に続く言葉やさらに上の言葉はありません。
- 松竹梅以外のランク付けの表現を一覧にしました。
- 英語ではどのように松竹梅を表現するかを紹介しました。
- ワインにも熟成度合いによる表現方法があります。
国際化が進む現代、お寿司屋さんやうなぎ屋さんも松竹梅でなくて「プレミアム」「スペシャル」「スタンダード」などという言葉に置き換わっていくかも知れませんね。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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