お見舞いの定番の品物と言えば何でしょうか?果物の籠盛り?お菓子の詰め合わせ?
こうした品物を購入して送るのも良いですが、手間暇かけて千羽鶴を送るひとも沢山います。
広島の平和記念公園や長崎の平和公園などには千羽鶴を奉納することが修学旅行の定番になっています。
あなたは千羽鶴を作ったことはありますか?あるなら学生の頃にクラスで作ったんでしょうか?それとも知り合いのお見舞い用に家族で?
私自身、教師時代に修学旅行の引率のためにクラス総動員で千羽鶴を作った経験があります。クラスで作ると上手い生徒と下手な生徒がいてバラバラの千羽鶴になってしまいました。(ノд`*)っ
今考えると、上手な生徒にレクチャーしてもらっておけば良かったと思うんです。
今回、そんな千羽鶴の作り方のコツを大紹介してきたいと思います!
合わせてあれこれと言われている千羽鶴のマナーについても調べてみましたので、ぜひ最後前お付き合い下さいね。
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千羽鶴のきれいな折り方のコツ
千羽鶴の折り方のコツには大きく分けて2つの要素が関係してきます。それは次のようなものですね。
- 折り鶴そのものをきれいに折る方法
- 折った鶴を糸に通す方法
このどちらかが大雑把になるときれいな千羽鶴にならず、送られた方としても微妙な感想を持ってしまうかもしれません。
送られた方が素直に喜び、また送った側の思いやりが伝わるきれいな折り鶴にしたいですね。
その為に、それぞれの方法について解説していきます。まずは折り鶴をきれいに作る方法から御覧ください。
折り鶴をきれいに折る方法
折り鶴をきれいに作るには以下の2つに気をつけるといいですよ。
- 最初にきっちりと折り目を作る
- 折るときに紙を上から押さえる(引っ張らない)
- 所々、折り目の手前で折る
丁寧に作ったはずなのに、最終的にできた折り鶴の折り目がずれていたり紙の端が逆に折り曲がっていたりした経験はないでしょうか?
折り目を作らずに紙を折ろうとすると、知らず知らずズレができてきます。その少しのズレが最後には大きな歪みになってしまいます。
また、紙を折るときに指で摘んで引っ張るようにすると僅かですが紙が伸び、やはりズレを生じる原因になります。
さらに紙には厚みがあるため、それを考慮しないでキッチリとしすぎても逆に紙の端に重なりを作ってしまったりします。
こうした理由で、上記3点を抑えた上で折り鶴を作るのが需要なんですね。
それではポイントになる部分を写真で解説していきますので参考にしてくださいね。
鶴の折り方大図解
まずは縦横斜めに折り目をつけます。前述の通り、引っ張らないで押しつぶすようにするのがコツ。
続いては折り目を下の図のように折り返します。斜めのうち一箇所を谷折りに。
折り込んで下図のような正方形を作ります。
さらに下のように折り目を付けます。
下から上へと開いていきます。
下のように菱形になります。裏側も同じように開いて折り返します。
赤線の部分を中心線に向かってさらに半分に織り込みます。
中心をピタリと合わせずに、1~2mm程度の間隔を開けておくのがポイント。
裏面も同様に、中心に間隔を開けて折り込みます。
片側を開き、下の細いパーツを上へと折り込みます。
反対側も同様に折り込みます。上に折り込んだ細いパーツが頭と尻尾になります。
片方を下へと折り込むと頭になります。これで完成。
一羽だけ飾るのなら翼を開くとテーブルなどに置くことができます。
千羽鶴の場合は翼を開くとかさばるので、通常はこの形で糸を通していきます。
折り鶴に糸を通す
折り鶴に糸を通すには次のようなものが必要になります。
- 糸
- 縫い針
- ボタンや爪楊枝など
糸は裁縫用の木綿糸でもOKですが、切れにくくしたい場合にはテグス(釣り糸)を使うといいでしょう。
ただし、テグスは燃やすと有害物質を発生することがあるので、事後処理まで考える場合には切れやすくても木綿糸を選びましょう。どちらを選ぶかは考え方次第ですね。
ボタン、爪楊枝は糸で繫げた鶴が抜け落ちないように止めておくために使います。一番下の鶴のお腹のところに縛り付けておきます。
千羽鶴にするには、以下のような数で鶴をつなげる方法が考えられます。
- 100羽×10列
- 50羽×20列
- 40羽×25列
- 25羽×40列
- (33羽×3列+天辺に1羽)×10セット
100羽×10列だと背伸びをしないと地面についてしまうほど長い千羽鶴になります。逆に25羽×40列だと上下には短くて膨らみのある千羽鶴ですね。
33羽×3列+天辺に1羽などはちょっと変わっていますが、初めて鶴を折る小学生がクラスごとに作って合わせて千羽鶴にするのには良いかもしれません。天辺の1羽だけ金色や銀色にするなど工夫ができそうですね。
千羽鶴をグラデーションにする
折り鶴をグラデーションにするには、上に明るい色⇒下に暗い色とするのが定番と言えそうです。
10色の場合と15色の場合では次のような順番にするときれいなグラデーションになりますよ。
白⇒ピンク⇒赤⇒橙⇒黄⇒黄緑⇒緑⇒水色⇒青⇒紫
白⇒薄桃色⇒ピンク⇒赤⇒橙⇒薄橙(肌色)⇒黄⇒レモン色⇒黄緑⇒緑⇒深緑⇒水色⇒青⇒藍⇒紫
黒やグレーを使う場合には紫の下に持ってくるのが良いでしょう。
でも黒なんかを千羽鶴に使うのってダメなんじゃないの?と考える人もいるかもしれません。
そのような千羽鶴のマナーって本当なんでしょうか?続きを見ていきましょう。
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千羽鶴のマナーの真偽
千羽鶴には様々なマナーが存在すると言われています。有名なのは以下のものです。
- 折り鶴の頭を折ってはいけない
- 黒、白、金、銀などは使ってはいけない
- 被災地に千羽鶴を送るのは迷惑なので送ってはいけない
よく耳にするこれらのマナーですが、本当のところはどうなんでしょうか?一つ一つについて見ていきましょう。
頭を折らないのは本当?
千羽鶴の頭を折らないというマナーは存在しません。むしろ頭を折らないと鶴にならないため、未完成の千羽鶴ということになり却って失礼にあたるという解釈もあります。
これについては日本折紙協会がHPの中で、以下のように明確に否定しています。
頭を折ると縁起が悪い?と聞かれることがございますが、まったくそんなことはございません。折らないと頭ができないので、折ってください。
どうやら「鶴の頭を折る」=「首を折る」といった連想から縁起が悪いと考えた人がいるようです。それが口コミで噂になって広まった結果、「千羽鶴の頭を折ってはいけない」となってきたと考えられます。
実際、お見舞いや献納の千羽鶴で頭が折られていないものを目にすることがあります。まだ多くの人がこうした「マナー」を信じているのが現状のようですね。
使ってはいけない色は?
千羽鶴に使ってはいけない色はありません。原則的にはすべての色を使ってOKなのです。ただ、送る相手への配慮として、黒、白、金、銀などを避けるのはごく普通に行われています。
一般的に黒や白は葬式を連想させるため、縁起が悪いと考えてお見舞いの千羽鶴には使わない人もたくさんいます。
また金や銀などはグラデーションを作るときに使い所が難しいため、やはりあまり使われない傾向が強いです。
逆に、千羽鶴は使ってはいけない色もない代わりに必ず使う色というのもありません。
被災地に千羽鶴を送るのは迷惑?
実は、被災地に千羽鶴を送って迷惑になったという声が被災者からあがっているという事実は確認されていません。そのような事実はないと考えるのが妥当なようです。
ただし、千羽鶴を含めて個人から物資を送ること自体が被災地では迷惑となります。被災地支援のためには募金をするのが最上の手段と言えます。
ニュースサイト「ねとらぼ」の取材に対し、2016年の熊本地震の際の状況について熊本市復興室の室長は次のように答えています。
千羽鶴や色紙は、震災からしばらくたって現場が落ち着いてからでしたね。届いた千羽鶴の廃棄に困っているという話は聞いたことがなく、報告書としてもあがってきたこともありません。
同室長はさらに、困ったのはむしろ個人から届いた支援物資だったと言っています。
処置に困ったのは折り鶴や色紙よりも、避難者が少なくなった後でも日本全国から個人の支援物資が大量に届いてしまったことです。
そして、折り鶴を含め個人からの支援物資を送ること自体が迷惑であると言っています。
まず話にあるような千羽鶴や色紙を現時点で送るのは、先方が困られるので控えた方がいいと思います。というよりも、個人からの支援物資を送ること自体をやめた方がいいでしょう。
なるほど、やはり個人が被災地を支援するには物資を送るよりも募金をしたほうが良さそうです。
この問題についてはこちらの記事により詳しく書きました。合わせて御覧くださいね。
まとめ
いかがでしたか?千羽鶴の折り方にはこのようなコツがあることがわかりました!
個人的には、「頭を折ってはいけない」というマナーには根拠はなかったことにとてもびっくりしました!
それでは今回の記事の内容をおさらいしておきましょう。
- 千羽鶴の折り方のコツには、鶴そのものをきれいに折ることと折り鶴をつなげる方法があります。
- 鶴をきれいに折るには、折り目を付けること、折るときに引っ張らないこと、部分的に折り目の手前で折ること、などがあります。
- 折り鶴に糸を通す方法をご紹介しました。
- 美しいグラデーションを作る方法をご紹介しました。
- 千羽鶴の頭を折ってはいけないというマナーに根拠はありません。
- 千羽鶴に使ってはいけないいろはありません。
- 千羽鶴を含め、被災地に個人から物資を送るのは控えましょう。
同じ千羽鶴を作るなら、コツを押さえて丁寧に作り、美しく仕上げて喜んでもらいたいものですね。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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