知り合いや親戚が入院したと聞けば、心配になりお見舞いをすることを検討したくなるのが人情というものです。
でもよくよく考えると、いつ訪問すれば迷惑にならないのかとか、どのくらいの時間病室にいればいいのかとか、いろんな疑問が湧いてきませんか?
入院中の患者さんはただでさえ病気というプレッシャーと戦っているのに、それを邪魔するようなことになってはお見舞いの意味がありませんからね。
私、中学生の時に入院していた友人をみんなでお見舞いしたことがったんですよ。でもあまり大勢で訪問したために、後になって担任の先生に怒られちゃいました。「大勢で押しかければいいってもんじゃないぞ!」なんて。
そんなお見舞いのマナーですが、調べて分かったことは「患者に配慮し患者の都合を優先する」という基本です。
それでは具体的にどうすればいいのか?についてご紹介していきますので、ぜひ最後までお付き合い下さいね。
お見舞いのマナーの基本
お見舞いをする際には相手の状況に配慮してマナーを守る必要があります。そのための基本的なマナーには次のようなものがあります。
- お見舞いをするタイミング
- 事前に相手の都合を尋ねる
- 面会時間
- グループの場合の人数
- 話題
引き続き、それぞれの事柄について解説をしていきます。続けてご覧下さい。
お見舞いをするタイミング
お見舞いをするタイミングは次のどちらかが適切です。
- 入院の5日後
- 手術の3日後
もちろん、入院している当人の状況を考慮する必要がありますが、1週間から2週間程度の入院ならばこのあたりが適切です。
入院直後には様々な検査、レントゲン撮影、CT撮影、診察などの予定が立て込んでいて当人もなかなか忙しかったりします。
また手術後は会話などで感情が高ぶることが術後経過に影響するおそれも考えられます。
また、3日程度の短期の入院ならばお見舞いは必要ないと言えます。むしろ邪魔になったりすることがあるので控えるようにしましょう。
事前に本人か家族に打診をする
お見舞いに行くときには本人か家族に連絡を取り、以下のことを打ち合わせておきましょう。
- 訪問する日付と時間
- 滞在するのはどのくらいの時間か
- 差し入れなどで欲しい物はあるか
折角お見舞いをしようとしたのに、診察、検査、リハビリなどで空振りに終わる事もあり得る話です。こうした自体を回避するために訪問日時はきちんと打ち合わせておきたいですね。
日時が決まったらさり気なく「では◯月◯日の◯時から、30分ほど伺います。」などとどの程度滞在するつもりなのかを伝えておくと患者本人や家族に気を遣わせることは少なくなります。
そして、単刀直入にお見舞いの品として何が欲しいか聞いてしまいましょう。気心の知れた相手でないと遠慮すると思いますが、その場合にはお見舞い金など無難な物を準備しておきましょう。
面会時間は短すぎず長すぎず
面会時間は最短で15分、最長で1時間程度に止めておきましょう。
これ以上長居をするとやはり相手や家族に気を遣わせることになるので、それは避ける様にしましょう。
また短すぎる訪問は相手が寂しがったりすることも考えられます。また義務的にお見舞いをしただけという印象を与えかねません。5分で退室などという自体は慎みましょう。
そして退室の時には「今日は元気な顔を見ることができて安心しました。そろそろ失礼しますよ。」などと自分から切り出します。お見舞いに来てくれた人に患者から「そろそろ帰ってくれ」とは言いにくいですからね。
グループでお見舞いに行く場合
複数で連れ立ってお見舞いをする場合は3~4人程度のグループまでにしましょう。
これ以上人数が多くなるとそもそも病室に入りきれなかったり、相部屋の場合には他の患者に迷惑をかけることになります。
賑やかな事が好きな患者であってもここは我慢してもらい、退院後にみんなでお祝いの席を設ける方がいいでしょう。
避けるべき話題
お見舞い時の話題には特に気を遣いましょう。避けるべき話題とは以下のような物です。
- 病気のこと(病状や手術の予定等)
- 仕事のこと(患者は長く休むことに申し訳ない気持ちを持っているため)
- 患者の見た目の変化(痩せた、やつれた、むくんで見える、等)
こうした話題を見舞客の方から切り出すことは患者に不安を与えることにも繋がるので避けるべきです。
もちろん、患者本人から切り出した話題ならばきちんと応答して楽しい会話となるようにうまくリードしてあげましょう。
当人の状況次第では日を改める
事前に訪問日時を決めてあっても、当人が寝ていたり体調が悪いこともあります。そんな時には無理に訪問をせず、日を改めることを考えるのも配慮というものです。
ただし、約束していたのに黙って帰ってしまったら患者をがっかりさせてしまいます。看護師さんに手紙を託すなどして、「約束どおり訪問したけど具合が悪そうなので日を改めます」と伝わるようにしましょう。
お見舞いの服装
お見舞いの服装には次の点を考慮して選びましょう。
- 華美でないもの
- 赤(血を連想させる)、黒、濃紺(葬儀を連想させる)は避ける
- 清潔なもの
- ハイヒールは避ける(歩行音が迷惑になるかも)
こうしたことを考えると、次のような服装が無難な選択となるでしょう。
- 友人など親しい間柄の場合にはジーンズ、トレーナー、スニーカーなど華美で無い普段着
- 仕事関係などの場合はグレーなど明るめの色のスーツ
仕事帰りに立ち寄るなどすると、シャツの襟元が垢じみていたりして清潔感を損なうおそれがあります。面倒でも一度帰宅して着替えてからの方が良さそうですね。
お見舞いに手ぶらはNG
お見舞いに臨むにあたって、手ぶらでの訪問は絶対にNGです。
患者ももちろんお見舞い品が欲しい訳ではありません。しかし一方で、「事前に約束して準備までしていたのにお見舞い品は何もなし?」と期待外れな気持ちになる事は想像に難くないでしょう。
こうした配慮のない行動は退院後の人間関係にも大きく影響をするおそれもあります。
親しい間柄であっても、相手から「見舞いの品は無くていいからね」と言われていたとしても、やはり見舞い品を持参するのが礼儀というものです。
そんな見舞い品ですが、何にすべきか迷う場合にはお金を包んで「お見舞金」として渡すのが無難です。入院でお金が必要だし、お金を貰って困ることはありませんからね。
お見舞い金を包む場合のマナー
お見舞い金を包むときのマナーを簡単に紹介します。次の2点は特に間違えやすいので注意しましょう。
- 水引を付ける場合には「蝶結び」でなく「結び切り」か「あわじ結び」にする
- 目上の相手の場合、表書きは「御伺い」などとする
水引の「結び切り」「あわじ結び」とは下のようなものです。
これらの結び方は簡単に解けないため、一度きりであって欲しいことに用います。入院などはまさにそうですね。
対する蝶結びはこちら。
蝶結びは簡単に解けて結び直せるため、繰り返しがあり得る慶事に用います。出産などがそうです。
また、一般には目上の人に金銭をお見舞いとして渡すのは失礼に当たると考えられます。
その場合には表書きを「御伺い」「お伺い」などとすることで失礼に当たらず渡すことが可能になります。
見舞金の渡し方のマナーについてはこちらの記事も参考にして下さいね。
まとめ
いかがでしたか?入院のお見舞いのマナーについてまとめてきました。病気やケガで気持ちが弱っている相手を見舞うわけですから、細心の配慮が必要になるんですね。
個人的にはあまり大人数で押しかけて賑やかにすることもよろしくないと分かり、調べていてとても勉強になりました!
それでは今回の記事の内容をおさらいしておきましょう。
- お見舞いをするにはタイミング、相手の都合、面会時間、人数、話題に配慮しましょう。
- 当人の状況次第では日を改めることも考えましょう。
- 服装は華美でない清潔なもので、赤や黒は避けましょう。
- お見舞いに手ぶらはNGです。品物に迷うなら見舞金を持参しましょう。
お見舞いは入院患者にとって、退屈な生活に変化をもたらし生きる気力が湧いてくる大イベントです。「来てくれてありがとう」と喜んでもらえるようにマナーには最大限気をつけたい物ですね。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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