千羽鶴っていろんな場面で贈られるものですね。作った人たちの思いが込められていて、必勝祈願、病気治癒、災害からの復興祈願などの意味があります。
そんな千羽鶴ですが、「首(頭)を折るのは縁起が悪い」とする説と「折らないと鶴にならない」とする説が見受けられます。
あなたは千羽鶴を作るときには首を折らないようにと教わりましたか?それとも普通に頭を作って繋げましたか?
私自身はそのような話を聞いたことがなかったため、「千羽鶴の首を折るのは縁起が悪い」という説があることを大人になってから初めて知りました。
最近になって実はどうするのが正しいのか気になったので調べてみた所、興味深い話が沢山出てきました!
この情報をあなたとシェアしたいと思いますので、ぜひ最後までお付き合い下さいね。
千羽鶴の首は折っても大丈夫!
一般的に、千羽鶴を折るときに首(頭)を折ることはOKです。根拠として、日本折紙協会のHPを見ると次のような記載が見受けられます。
頭を折ると縁起が悪い?と聞かれることがございますが、まったくそんなことはございません。折らないと頭ができないので、折ってください。
このように公共性の高い団体の公式見解としては、千羽鶴の首(頭)をきちんと折ることは失礼にあたらないとしています。それどころか、「折らないと頭ができない」として折るように推奨さえしています。
それでは「千羽鶴の首を折るのは縁起が悪い」という説があるのは何故でしょうか?続いてはその理由を解説していきます。
首を折らないのがマナーとされた理由
千羽鶴の首を折ると縁起が悪いという説には大きく分けて二つの理由があるようです。
- 「首を折る」=「首の骨が折れる」など、事故、死、失敗などを連想させるため
- 伝統的に千羽鶴の首は折らないものとして受け継がれている地域もあるため
調べてみると以上の二つの理由を見つけることができました。
千羽鶴は病気治癒の願いを込めて入院患者のお見舞い等で贈られる事が多いため、事故や死を連想させるのを避ける意味で敢えて首を折らないようにしたのが広まったと考えられます。
また、二つ目の理由は地域の風習の違いによるものです。こうした風習が培われてきた時期や理由は不明ですが、地域によっては昔から千羽鶴の首を折らないものとしているところもあるようです。
ところで、入院患者のお見舞いに千羽鶴を贈る時にもある種のマナーが必要なんですよ。どんな点に気をつけて作るのが良いか、合わせてご紹介しますね。
入院のお見舞いに千羽鶴を折るときのマナー
千羽鶴を折るときには次の点に配慮をして作りましょう。
- あくまで患者本人の目線に立ち、千羽鶴を贈られて嬉しいかよく検討する
- 折る場合には赤(血を連想させる)、黒(葬儀や死を連想させる)などを避ける
実は、千羽鶴をお見舞いの品として贈られるのを好まない患者さんもいます。病気が深刻なもののような気になるとか、もう治らないような気がするというのがその理由です。
だから、お見舞いの品として千羽鶴が候補に挙がったときには患者さん本人の気持ちをよく考えましょう。そして本当に良いかどうかを皆で話し合って検討してからにした方がいいですね。
また「千羽鶴の首を折ることはOK」と前述しましたが、贈る相手が縁起を気にする人であれば敢えて首を折らないように作ることも考えた方がいいかも知れません。
このように、お見舞いに千羽鶴を贈ることは意外と単純な話ではありません。このことについては次の記事に更に詳しくまとめましたので参考にしてみて下さい。
それでは、災害で苦しむ地域に千羽鶴を贈ることはどうなのか?続いてご覧下さいね。
千羽鶴を被災地に贈ることはOK?
実は、千羽鶴を被災地に贈ることは言われているほど迷惑な行為とは言えないとする説があります。2016年に被災した熊本市の復興室長のインタビュー記事には次のような記述が見られます。以下、ニュースサイト「ねとらぼ」からの引用です。
届いた千羽鶴の廃棄に困っているという話は聞いたことがなく、報告書としてもあがってきたこともありません。
インターネット上では千羽鶴や色紙などを被災地に贈ることを批判する論調が多く見られます。しかし被災地の実際の声としては千羽鶴を贈られて困ったと言う声は挙がっていないようです。
この件についてはこちらの記事にさらに詳しくまとめました。併せてご覧下さい。
では実際に千羽鶴を贈られたとして、後になったときにどのように処分をしたらいいんでしょうか?続きをどうぞ。
贈られた千羽鶴の処分方法
千羽鶴は神社にお願いをすれば「お焚き上げ」をしてくれます。
お焚き上げとは、満願成就の後で返されたお守りなどを火にくべて浄化することです。無料でお焚き上げに応じてくれる神社もありますし、お賽銭を寄付して下さいねという所もあります。
いずれにせよ、お守りや捨てるに捨てられない思い出の品、写真、手紙などと一緒に千羽鶴もお焚き上げをしてくれます。
処分に困ったら近隣の神社に電話で問合せをしてみましょう。こちらの記事に詳しくまとめましたので興味のある方はリンクへと飛んでみて下さい。
まとめ
いかがでしたか?以上のように、千羽鶴の首を折るのはごく一般的なことで贈答用であっても失礼にはあたらないということが判明しました!
お見舞いの品としてはよく考える必要があるけど、必勝祈願などで千羽鶴を折る場合には首まできちんと折ってちゃんと鶴となっている物を繋げるようにしましょう。
それでは今回の記事の内容をおさらいしておきましょう。
- 千羽鶴の首は折っても縁起が悪いことにはなりません。日本折紙協会ではむしろ折ることを推奨しています。
- 首を折るのが縁起が悪いとする説がある理由は、首を折る=事故や死などを連想させるためです。
- 地域によっては昔から千羽鶴の首は折らない物としているところもあります。
- お見舞いの品として千羽鶴を折る場合には、患者さんの立場に立ってよく検討する必要があります。
- 被災地に千羽鶴を贈ることは言われているほど迷惑なことではないようです。
- 千羽鶴を処分するには神社でお焚き上げをしてもらう方法があります。
縁起がいいとか悪いとか言われる行為には、実は話だけが一人歩きしている物が多いのかも知れませんね。機会があれば他の事も調べて記事にしてみたいと思っています。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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