市街地で生活をしていると、駅前などで放置自転車や違法な駐輪などが目にとまることがあります。
こうした自転車には警察が常に目を光らせていて、今ではすぐにそれが盗難車かどうか分かる仕組みになっているんですよ。
それを可能にしているのは自転車の防犯登録制度です。
あなたはこの20年以内に自転車を購入したことがありますか?もしあるのなら店舗で防犯登録料を支払って手続きをした記憶がありませんか?
私も学校勤めだったとき、一時自転車通勤を試したことがあります。自転車購入時には確かに登録をした覚えがあります。ちなみに自転車通勤自体は一ヶ月ほどでドロップアウトしました…トホホ。
この自転車防犯登録って今は義務化されているという話を聞きました。それはいったいいつからの話なのか?そして登録はどこでどんな風に行われるのか?などなど、調べてみたら興味深い事実がたくさん出てきました!
この情報をあなたとシェアしたいと思いますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。
自転車の防犯登録は義務化されている
自転車の防犯登録が義務化されたのは1994年の6月のことです。それまでは任意で行われていた防犯登録でしたが、この時から自転車の利用者は登録をすることを義務づけられています。
「自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律」という法律の第十二条に、このことが明記されているので引用してみましょう。
第十二条 (中略)
3 自転車を利用する者は、その利用する自転車について、国家公安委員会規則で定めるところにより都道府県公安委員会が指定する者の行う防犯登録(以下「防犯登録」という。)を受けなければならない。
この法律についてはこちらのリンクから全文を読むことができますので参考にしてみて下さい。
こうした法的根拠を元に自転車の防犯登録は義務化されているんですが、防犯登録をしておくとどんなメリットがあるんでしょうか?
自転車の防犯登録はこうして機能する
自転車の防犯登録は、自転車の盗難や犯罪への利用を防止する目的で法律により義務化されています。
防犯登録をすることにより、次のような効果が期待できます。
- 防犯登録ステッカーを貼ってある自転車は盗難に遭いにくい
- 盗難の被害にあって他の場所で発見された場合、登録してある所有者に連絡が来る
- 警察官に呼び止められ職務質問を受けても、照会によりすぐに所有者であると分かるため手間がかからない
こうしたメリットを考えるとキチンと登録しておくのが正解だと言えます。また義務化以前に購入した古い自転車であっても指定された場所で登録を受けることが出来ます。
でも中には「お金がかかるし登録も面倒だから、ネットで購入して登録はしなくてもいいや」なんて考える人もいるのでは?
でも実は防犯登録をしないことで起こりうる不利益には実に様々なことがあるんです。続きをどうぞ。
防犯登録をしないと起こるこんな不利益
自転車の防犯登録をしないと次のような点で不利益を受けるおそれがあります。
- 警察官により職務質問を受けたり違法駐輪で行政により撤去されたときなど、所有者であることを証明するのに恐ろしく手間がかかる
- 他人に譲渡したり売却したりするときにも同様
- 登録制駐輪場への登録ができない場合がある
- 盗難被害にあった場合、発見されても所有者に連絡されない
- 盗難保険に加入できない可能性が高い
などなど、思いの外多くのデメリットが生じてきます。
通常の生活を送る場合には警察からの職務質問を受けることなどはほとんどありません。しかし何か理由があって深夜に自転車で移動しなければならないときなどには職務質問を受けるリスクも考えられます。
そんな時に、登録をしていなかったばかりに何十分も足止めを食らうといったことも起こりうる話です。
やはりちゃんと登録をしておいた方が良さそうですね。ただし、登録していない自転車を利用すること自体に対する罰則はありませんので、それで逮捕されるといったことはありません。
そんな自転車の防犯登録ですが、このような流れで行われることになります。続いてご覧下さいね。
自転車の防犯登録の流れ
自転車は以下のような流れで防犯登録が行われていきます。
- 自転車購入の際に身分を証明するもの(免許証等)を提示し、防犯登録料(都道府県により500円~600円程度)を提出する
- 防犯登録ステッカーを受け取って購入した自転車に貼り付ける
- 同時に交付される登録カードを受け取り保管する
- およそ2ヶ月で都道府県の警察のコンピュータにデータが登録され、10年保存される
時間にして5分程度で終了します。面倒な手続きは全くありませんので素直に従いましょう。
こうして登録は完了します。3で受け取る登録カードは、自転車が盗難被害にあったり他人に譲渡したりする場合に必要になるものです。大切に保管しましょう。
さて、では自転車の防犯登録はどこで行われるんでしょうか?続きをご覧下さいね。
自転車の防犯登録はどこでするのか
自転車の防犯登録は「自転車防犯登録所」の業務委託を受けている小売店で行われています。
具体的には自転車を販売している自転車店、ホームセンター、ショッピングモールなどで行われています。
こうした店舗で自転車購入時に必要書類に記入をして身分証明書を提示し、登録料(500円または600円)を支払うことで完了します。
ではネットで購入した自転車や義務化以前の自転車を登録する場合にはどうしたら良いのか、ついでに見てみませんか?
ネット購入の自転車を登録する方法
ネットで購入した自転車を登録するためには、以下のものを持参すれば前述の「自転車防犯登録所」に赴きましょう。
- 自転車本体
- 身分証明書(運転免許証など)
- 外国籍の方は外国人登録証
- 保証書または販売証明書(販売店名・商品名・車体番号などが全て明記されているもの)
- 登録料(500円~600円程度)
つまり店舗で購入する際に必要な書類とあまり変わらないという話です。店舗で購入するときには自転車本体や保証書などはその場にあるわけですからね。
それでは古い自転車を登録したい時にはどうしたら良いのかも調べてみました。
義務化以前の自転車を登録する方法
1994年の登録義務化以前の自転車を登録するために最も早いのは次の方法が考えられます。
- 購入を証明する書類を持って購入した店舗で登録をしてもらう
保証書などがまだ残っており、かつ小売店が業務を続けている場合に最も有効なのがこの方法だと思われます。
ただ、現実的には20年以上も昔の保証書などが残っていることもないでしょうし、購入した店舗が業務を継続しているかどうかも分かりません。
そんな場合には次の方法が考えられます。
- まずは各都道府県の自転車防犯登録協会に問合せをする
- その上で最寄りの自転車防犯登録所に問合せをする
- OKならば必要な物を自転車防犯登録所に持参して登録を完了する
概ねこのような流れで古い自転車であっても登録をする事ができます。
この時に持参するように求められるものは、自転車本体、身分証明書、登録料です。他人からもらった自転車を登録する場合には「譲渡証明書」という書類に記入して持参する必要もあります。
「譲渡証明書」は都道府県により定められた様式をダウンロードして使用する場合と、様式が存在せずに個人間で譲渡の際に作成する場合があります。
各都道府県の自転車防犯登録協会のHPでチェックしてみて下さいね。
まとめ
いかがでしたか?自転車の防犯登録が義務化されてずいぶんと時間が経つわけですが、ネット販売などの利用で意外と未登録のまま乗っている人も多いのかも知れませんね。
個人的には、登録をしていない場合のデメリットがこんなにあったことが分かってとてもビックリしています!
それでは今回の記事の内容をおさらいしておきましょう。
- 自転車の防犯登録は1994年に法律で義務化されています。
- 防犯登録をすることで盗難被害に遭いにくくなるなどの効果が期待できます。
- 逆に登録をしないと盗難に遭いやすかったり保険に加入できないといった不利益もあります。
- 防犯登録は購入の際に店舗で手続きが行われます。
- 自転車店やホームセンターなど自転車を販売している店舗が防犯登録所に指定されています。
- ネットで購入したり古い自転車などを登録する方法を紹介しました。
自転車の防犯登録は手間もお金もそれほどかからず、安心感を与えてくれるシステムです。キチンと登録をして楽しい自転車ライフを!
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
この記事へのコメントはありません。