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文化祭のTシャツに著作権は?アニメはOK?インスタへの投稿は?

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秋には中学校、高校で文化祭のシーズンがやって来ます。

文化祭と言えばクラスのTシャツを作ろうという人も多いのでは?みんなで同じTシャツを着て模擬店やステージイベントをやると盛り上がるし、クラスの団結が強くなる気がしますね。

でもちょっと待って下さい。クラスTシャツを作る時に著作権について考えていますか?アニメのキャラクターなどをデザインの中に入れようとしてませんか?

こうしたTシャツの写真をインスタとかツイッターにアップするときの注意点と合わせて、著作権のことについて解説していきます。

ぜひ最後までお付き合いくださいね。

文化祭のTシャツも著作権の許可が必要?

文化祭のTシャツを作る際にも著作権者の許可を得る必要がある場合があります。それは次のようなものをTシャツにプリントする場合です。

  • 漫画などのキャラクター
  • タレント、歌手、バンドなどの名前
  • 楽曲の歌詞やタイトルなど
  • 雑誌や書籍に載っている写真やイラスト
  • 企業、ブランド、商品のロゴやイラスト

また、これらのデザインなどの一部を変えただけで使用することも許可されていません。元ネタがハッキリ分かるパロディやオマージュなども、実は著作権を侵害している恐れがあるんです。

こうしたものは全て著作権法で保護されていて、他者が無断で使用することはできません。

にもかかわらず、Tシャツの作成を強行しようとすると次のような問題が発生することが考えられます。

  • そもそも業者がTシャツ作成の依頼を引き受けてくれない
  • 自作した場合は後で著作権者から訴訟を起こされる恐れがある

せっかくアイデアを出してデザインもしたのに業者に断られたり、無理に自作して訴訟になったりと悲しいことになるかも知れないですよ。

学校の授業等には著作権は関係ない?

一方で、「学校の授業等で使う場合には無断でもOK」という説もあります。ただし、文化祭のTシャツに上記のものを使用するのは限りなく黒に近いグレーですので、やめておいた方が良いでしょう。

著作権法第35条に規定されている学校教育における著作権の取扱いについて、文化庁のサイトでは次のように解説しています。これを一見すると文化祭のTシャツにも当てはまるのかと思うかも知れません。

 教育を担任する者やその授業を受ける者(学習者)は,授業の過程で使用するために著作物を複製することができる。また,「主会場」での授業が「副会場」に同時中継されている場合に,主会場で用いられている教材を,副会場で授業を受ける者に対し公衆送信することができる。複製が認められる範囲であれば,翻訳,編曲,変形,翻案もできる。(出典:文化庁HP)

ここにあるように、教員や生徒児童が学校の授業のために使うだけなら著作権者に許可を得る必要はありません。ただしこれはあくまで授業の一環で使う場合のことです。

文化祭のTシャツ作成はこの「授業の過程で使用するために著作物を複製」にはあたらないという根強い意見もあります。強行すると前述のような問題に発展して最悪は訴訟沙汰になるかも知れません。

やはり一時のノリで有名キャラクターなどのTシャツを作って文化祭で着用するのはリスクが高い行為だと言えます。

文化祭での著作権はアニメにも関係する?

著作権は全ての著作物(個人または法人が創作したもの)に適用されるため、当然アニメのキャラクターも著作権で保護されています。アニメと言えば次のようなものが有名で人気があります。

  • ディズニーのアニメやアトラクションに登場するキャラクター
  • スタジオジブリのアニメに登場するキャラクター
  • その他、アニメ全般

これらは全て著作権による保護の対象で、文化祭のTシャツに無断で使用することは許可されません。

では著作権者に許可を得ることはできるかというと、それもやめておいた方が良いでしょう。

手続きだけで何ヶ月もかかった挙げ句、許可が下りないことになるのは容易に想像できます。たった1日かそこらの文化祭のためにそんな手間をかけることなできませんね。

アニメの著作権を守らないと大変な事になるという背景には、実は日本で過去に前例があるためなんです。それはどんなものか、続いて見ていきましょう。

アニメのキャラを描いて問題になった事例

1987年、小学生が卒業記念にプールの底に描いたキャラクターをディズニーからの要請でこの絵は削除することになった事例があります。

これは昭和62年7月10日の産経新聞で報じられている事実です。

滋賀県の小学校で、卒業する6年生が卒業記念として、2ヶ月という時間を使ってプールの底にミッキーマウスとミニーマウスの顔を描いたんです。小学生が力を合わせて作り上げたことが話題となり新聞にも掲載されました。

その後、日本ウォルト・ディズニー・プロダクションの社員がこの小学校にやって来て次のように言ったそうです。

「ミッキーとミニーの絵を消すことを要望する。消さなければ著作権法違反で訴訟を起こす。」

学校側は営利目的ではないことを強調して話し合いをしましたが受け入れられることはありませんでした。その結果、卒業生が力を合わせて描いたキャラクターの顔は塗りつぶされてしまったそうです。

これは小学生の卒業制作という話題が新聞に取り上げられたことにより、ディズニー側が把握をしため事が大きくなった事例だと言えそうです。

では文化祭のTシャツなら新聞にも載らないから大丈夫かというと、そうとも言えません。どこで著作権者側がキャッチをするか分からないからです。

最近ではSNSに文化祭の様子などを投稿する事が多いですね。実はこれもやや問題になる事があるんです。続きを見ていきましょう。

文化祭のTシャツをインスタにアップしても大丈夫?

文化祭のTシャツをインスタにアップすることで問題が発生する場合があります。それは次のような場合です。

  • 映っているTシャツなどに著作権で保護されたキャラクターなどが描かれている場合
  • 一緒に映っている人の許可なく投稿した場合

1日だけのことだからと、こっそりとキャラクター入りのTシャツを作ってもインスタやツイッターなどに写真を投稿してしまったら問題が大きくなる恐れがあります。

また、友達と一緒に撮影した画像をインスタグラムやツイッターで公開する場合、厳密には本人の許可を得ないと肖像権の侵害という別の問題が発生する恐れがあります。

こうしたことを避けるため、次のことをしっかりと頭に入れておきましょう。

  • 文化祭のTシャツにアニメのキャラクターなどを使わない
  • パロディ的にキャラの見た目を少し変えたものも使わない
  • 人と映っている画像をSNSにアップするときには許可を得る

ところで、文化祭はTシャツ以外に看板などにもキャラクターを使いがちです。こちらは問題にならないんでしょうか?

文化祭の様々な疑問についてこちらの記事にまとめました。併せてご覧下さい。

まとめ

いかがでしたか?

学校の文化祭は一生の思い出になるイベントです。みんなで楽しい思い出を作る時に訴訟だなんだと面倒なことにならないようにしたいですね。

それでは今回の記事の内容をおさらいしておきましょう。

まとめ

  • 既存のキャラクターなどを使って文化祭のTシャツを作る場合、著作権者の許可を得る必要があります。
  • 文化祭のTシャツ作成には著作権法第35条は適用されない可能性があります。
  • 無理に作ろうとしても業者に断られたり、最悪の場合には訴訟沙汰になる恐れもあります。
  • クラスTシャツの写真をインスタなどSNSにアップする際にも注意が必要です。

やっぱりクラスのTシャツはオリジナルデザインで作って、一生の記念になるようにしたいですね。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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