文化祭や学園祭の季節が近づくと、ポスターなども作って宣伝をしていくことが多いですね。
でもポスターを作る時に著作権の問題が発生しないかって心配になったりしませんか?ディズニーとか任天堂などはキャラクターの無断使用に相当うるさいという噂もあります。
学校の文化祭のポスターを作る時に著作権の問題が発生することはあるのか?またアニメやゲームのキャラクターとか有名人の顔写真の模写などをしても大丈夫なのか?
こうした疑問に答えていきます。ぜひ最後までお付き合いくださいね。
文化祭のポスターで著作権違反になる事はある?
文化祭のポスターであっても著作権法に違反する事はあります。ただし、一定の条件を満たせば無断で使用することは認められています。
文化祭のポスターなど学校行事で著作物を無断に使用するための条件とは、次のようなものです。
- ポスター内に描かれた物が既に公表されている著作物であること
- 文化祭そのものやクラスの企画が営利(お金を稼ぐこと)目的ではないこと
- 文化祭やクラス企画への入場料等を徴収しないこと
- 文化祭が終わったらすぐに撤去して常設展示としないこと
これらの条件を満たせば、著作権者の許可を得ることなくポスターを作成して展示しても問題はありません。
例えば、クラスでたこ焼き屋の模擬店を企画してそのためのポスターにアニメのキャラを描いたとします。
たこ焼きを売って得たお金がきれいに材料費で相殺されれば「営利目的」とはならないため、問題になることはありません。
反対にこれらの条件を満たさないためNGとされる例として、次のようなものが考えられます。
- ポスターでお客を集めた模擬店の利益を使ってクラスの打ち上げを行う
- 入場料を徴収する文化祭やクラス企画のポスターにアニメキャラを描く
- ポスターの出来がいいので文化祭後も人目につくところに展示を続ける
このような場合には著作権法の違反となる可能性が高く、最悪の場合は裁判に発展する恐れがあります。そうならないためには次のような対応を考えておく必要があります。
- 材料費等を差し引いても模擬店等で利益が出たら福祉団体等に寄付する
- 入場料を徴収する企画のポスターは完全にオリジナルのデザインとする
- 文化祭終了後はポスターを速やかに撤去する
このような対応をきちんとすることで、ポスターに既存のキャラクターなどを描いても問題視されたり著作権者からストップをかけられることはありません。
さて、ここでいう著作権とはどのようなものかを合わせて解説しておきます。大切なことですので理解を深めておきましょう。
そもそも著作権って何?
著作権とは創作物や実演を独占するための権利のことをいいます。これは著作権法という法律で明確に規定されています。
著作権法の第二条には著作物を次のように規定しています。
第二条 (中略) 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
当然、アニメのキャラクターなどはこの著作物にあたりますので無断で使用することは禁じられています。
でも前出のように、学校の活動で営利目的でないなどの条件を満たせば使用することが許されています。それは著作権法第35条に次のような条文があるからです。
第三十五条 学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く。)において教育を担任する者及び授業を受ける者は、その授業の過程における使用に供することを目的とする場合には、必要と認められる限度において、公表された著作物を複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
はっきりと「文化祭でもOKだよ」と描かれているわけではありません。しかし文化祭も学校の正規の活動として授業に準ずるとするのが一般的な理解です。
こうした法的な根拠の上に、文化祭のポスターによく知られているキャラクターなどを描くことは許されているんですね。
文化祭のポスターにアニメキャラを使うのはOK?
文化祭のポスターのアニメのキャラを使うのは前出の条件を満たしていれば問題ありません。
中学校や高校の文化祭、学園祭でよく使われるアニメのキャラクターといえば次のような物が連想されます。
- ミッキーマウスなどのディズニーのキャラクター
- スタジオジブリのアニメのキャラクター
- アンパンマンやドラえもんなどの有名アニメ
- ポケモンなどのゲームが元になっているキャラクター
これらのキャラクターは全て著作権法による保護の対象となっています。
文化祭や学園祭でポスターを作る時は、前章で解説したように十分に注意をする必要があります。それを怠ると最悪の場合には裁判にまで発展する恐れがあるからです。
かつて、小学生が卒業制作でプールの底にミッキーマウスの絵を描いたことが新聞に取り上げられたことがありました。
その記事を見たディズニーの関係者が学校にやって来て撤去を求めたため、大変な問題になったという事例があります。そのディズニー関係者は「裁判」という言葉も出したようです。
詳しくはこちらの記事をご覧下さい。
文化祭のポスターに有名人の写真は?
文化祭のポスターに有名人の顔の写真などを模写する事はグレーゾーンと言えそうです。こうした物をポスターに描くと後で問題になる可能性があるということです。
調査をしてみると、有名人の似顔絵を使って非営利の活動のポスターを作る事には異なる意見があり、明確に答が出てはいないようです。
一方では有名人の似顔絵は前出の著作権法第35条の範囲内で許可されているとする意見があります。
また別の意見としては、有名人の肖像は著作物ではないから学校の非営利活動であっても問題になるという考えもあるようです。
実は有名人の顔や姿は、著作権とは異なる権利として保護の対象となっています。その権利をパブリシティー権と呼びます。
芸能人等は自分の顔や姿をテレビや映画などに出すことにより営利活動を行っています。これはその芸能人等の独占できる権利として他者が無断で使用することは禁じられているんですね。
店舗や新聞の広告などで有名人の顔写真を勝手に使用できないのは、パブリシティ権が保護の対象となっているからです。
意見が分かれている以上は、芸能人やスポーツ選手などの似顔絵や姿をポスターに使うのはやめておいた方がいいでしょう。
ところで、著作権と言えば絵画の他にBGMも心配になりませんか?こちらにまとめたのでぜひご覧下さい。
文化祭の様々な疑問についてこちらの記事にまとめました。併せてご覧下さい。
まとめ
いかがでしたか?
学校の文化祭でポスターにアニメのキャラを描いても問題視されない裏には、このようなきちんとした裏付けがあったんですね。
これで何の心配もなくいろんなポスターを作る事ができそうです。
それでは今回の記事の内容をおさらいしておきましょう。
- 文化祭のポスターであっても一定の条件を満たさなければ著作権法違反となることがあります。
- 著作権とはどのような物か、学校の活動で許可されている根拠は何かを紹介しました。
- 条件を守っていれば文化祭のポスターにアニメのキャラを使うことはOKです。
- 有名人の顔写真の模写などはグレーゾーンなのでやめておきましょう。
綺麗で人目を引く立派なポスターをたくさん作って、文化祭やクラス企画にたくさんの人を呼び込んでいきたいですね!
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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