4月の中頃になると町のあちこちに姿を現す鯉のぼり。あれを見ると「もうすぐこどもの日だな、ゴールデンウィークだな。」と思いますよね。
あの最上段にカラフルな吹き流しがたなびいています。
あなたは、「あの吹き流しって一体何なんだろう」と疑問に感じたことはないですか?
あの吹き流しだけ色も形も他と違うし、よく考えるとちょっと妙な感じがしませんか?
鯉のぼりの吹き流しはどんな意味があるのか?五色になっているのはなぜ?そもそも鯉のぼりって一体何なんだろう?そんな疑問に応えるべくリサーチしてみました!最後までお付き合いくださいね。
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鯉のぼりの吹き流しの意味は?
鯉のぼりの最上段に取り付けられる吹き流し、それは魔除けとしての意味を持っています。
昔は子どもが生まれても無事に大人になれる保証はなかったため。「うちの子どもに災いが近づいてきませんように」との願いを込めて魔除けとして飾ったわけですね。
でも、そもそも吹き流しが魔除けとして認識されていたのは何故なのでしょうか?
吹き流しは戦が終わった証だった
戦が絶えなかった日本の戦国時代。その当時は一つの戦が終わった印として吹き流しを立てて喜んでいました。
それは同時に、「再び戦が起こりませんように」という人々の願いのこもったものでもあり、ここから吹き流し=戦よけの魔除けという認識へと発展していきました。
それでは吹き流しが虹のようにカラフルな理由って何なんでしょうか?
吹き流しの五色の意味
吹き流しの五色は、中国の「五行思想」に由来があります。五行思想とは何でしょうか?以下、ウィキペディアからの引用です。
五行思想(ごぎょうしそう)または五行説(ごぎょうせつ)とは、古代中国に端を発する自然哲学の思想。万物は木・火・土・金・水の5種類の元素からなるという説である。
(出典:フリー百科事典『Wikipedia(ウィキペディア)』)
ここにある木・火・土・金・水はそれぞれを象徴する色に対応しています。
- 木=青
- 火=赤
- 土=黄
- 金=白
- 水=黒
以上の色をあしらった吹き流しを飾ることで「万物がうまく流転している=魔除けの象徴」という認識が浸透していったんですね。
また、この5つの元素を強弱を表すように並べると五角形となるため、五芒星=魔除けという見立てもされたようです。
ちなみに、こどもの日に食べるちまきは中国の故事に関係しています。柏餅や鎧兜は江戸時代に広まったんですよ。
⇒ ちまきと柏餅の違いを調べて分かった衝撃の事実!それぞれの由来は?鎧兜についてはこちらをどうぞ。
⇒ 端午の節句の兜にはどんな意味があるの?節句って何だろう?
ではそもそも鯉のぼりってなぜこどもの日に飾るのでしょうか?続けて鯉のぼりの由来を御覧ください。
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鯉のぼりの由来
鯉のぼりは、「立派な跡取りを授けてくださりありがとうございます」と神様に対して感謝の意を表すために立てられます。
同時に、「うちも男子を授かることが出来ました」と世間に対して示すという意味もあります。
鯉のぼりの歴史は実は吹き流しよりも新しく、江戸時代の裕福な庶民の家で始まったと言われています。
それまでは男子が生まれた武士の家でそれを示す旗指し物を玄関に飾っていました。庶民がこれに対抗して、一見それとは分からないように最初は吹き流しを、続いて鯉の形にしたものを飾るようになりました。
ではなぜ鯉の形を模したのでしょうか?
鯉の滝登り
吹き流しを鯉の形に変えた理由は、中国の故事「鯉の滝登り」に見立てて子どもが立派に成長するように願をかけたからです。
中国の正史、二十四史の一つである後漢書による故事で、黄河の急流にある竜門と呼ばれる滝を多くの魚が登ろうと試みたが鯉のみが登り切り、竜になることができたことにちなんで鯉の滝登りが立身出世の象徴となった。
(出典:フリー百科事典『Wikipedia(ウィキペディア)』)
子どもの成長を願う気持ちは今も昔も同じ。江戸の庶民は色々と工夫をしたんですね。
まとめ
いかがでしたか?鯉のぼりの吹き流しにはこんな意外な意味があったんですね。以下にまとめておきます。
まとめ
- 吹き流しとは子どもが無事成長することを願った魔除けです。
- 戦国時代には戦が再び起こらないようにという意味でした。
- 五色になっているのは中国の五行思想に由来します。
- 鯉のぼりは江戸時代の庶民が「龍の滝登り」に見立てて始めました。
意味を知っていると吹き流しや鯉のぼりも違って見えてくるかもしれませんね。最後までお付き合い頂きありがとうございました。
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