4月も中旬頃になると鯉のぼりをよく見かけるようになります。
小さな男の子がいる家庭ではこの季節はとても重要な意味を持っていますよね。特に初節句となればなおさらです。
あなたが男性なら、小さい頃に鯉のぼりを上げてもらいましたか?
最近では都市部を中心にマンション住まいのご家庭も多くなり、大きな鯉のぼりは上げられないので鎧兜を飾る、なんてところも多いはず。
なんてことを考えていたら、この兜や鎧はいったい何故飾るんだろうってふと疑問が湧いたんです。
あなたのご家庭でも小さい男の子がいれば、鎧兜を飾ってあげたいですよね?
兜や鎧を飾る意味とは?五月人形って一体何なの?なぜ5月5日がこどもの日なの?などなど、気になる疑問をリサーチしてみました。最後までお付き合いください!
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端午の節句に兜を飾る意味
男児の成長を願って鎧兜を飾るのは室町、鎌倉時代の武家社会ではすでに行われており、主に次の3点の意味合いがありました。
- 魔除けとして飾り災いを遠ざける
- 梅雨を前にして手入れをするために出しておく
- 神社に鎧兜を奉納して安全を祈願していた風習の名残
これらの事柄が端午の節句と結びついて現在の形の原型ができたと考えられています。
五月人形は神様への目印
江戸時代になると、武家の真似事をして鎧兜を飾ろうとする裕福な庶民が出てきましたが、当然庶民の家に鎧兜などあろうはずもありません。そこで、木、竹、紙で張り子の鎧兜を作って飾る風習が広まっていきました。
こうした鎧兜には神が宿ると信じられていましたから、その神様が降りて来やすいように人形を目印として一緒に飾るようになりました。これが後の五月人形へと発展していきます。
ちなみに、柏餅や鯉のぼりも江戸時代に広まったんですよ。
⇒ ちまきと柏餅の違いを調べて分かった衝撃の事実!それぞれの由来は?鯉のぼりの吹き流しについてはこちら。
⇒ 鯉のぼりの吹き流しはこんな意味だった!調べて分かった驚きの事実
では、なぜ5月5日が端午の節句として男児の成長を祈願する日になったのでしょうか?
菖蒲=尚武という語呂合わせ
菖蒲が咲く頃に行われる端午の節句は菖蒲の節句とも言われ、菖蒲=尚武という語呂合わせから武家で男児の成長を祈願する日とされてきました。
尚武とは「部を尊ぶ」という意味で、まさに武家の家の跡取りの成長を強く願うのにふさわしい言葉です。
5月5日の端午の節句にこうした親の願いを表すようになったんですね。
でもそもそも、端午の節句ってどんなものだったんでしょうか?
端午の節句は五節句の一つ
節句とは季節の変わり目を表す日で、端午の節句はそのうちの一つです。古くは奈良時代からこの風習はありました。
端午の端という字は「はし」とも読み、月の初めを意味します。午は干支の「うま」ですので、端午とは「月の最初の午の日」という意味で、かつては必ずしも5月5日ではありませんでした。
それがいつの頃からか、午=五と読み替えられるようになり、五が重なる日、すなわち5月5日を端午の日とするようになったと言われています。
一年のうちにこうした節句が5つあり、いまでも暦の中には「○○の節句」と記されています。以下がその五節句です。
五節句
- 1月7日 人日(じんじつ)=七草の節句
- 3月3日 上巳(じょうし)=桃の節句
- 5月5日 端午(たんご)=菖蒲の節句
- 7月7日 七夕(しちせき)=笹の節句
- 9月9日 重陽(ちょうよう)=菊の節句
1月7日以外はすべて奇数月で、月と日で同じ数字が重なる日になっているのが面白いですね。
1月1日は元日ですので当然この日は節句から外して1月7日を人日とし、この日に七草粥を食べる習慣もできました。
では端午の節句がこどもの日とされたのにはどの様な経緯があったのでしょうか?
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こどもの日は法律で決まっている
端午の節句=こどもの日と、いわゆる祝日法という法律で定められています。
第二条 「国民の祝日」を次のように定める。
(中略)
こどもの日 五月五日 こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。
(出典:国民の祝日に関する法律)
この法律は昭和23年に制定され、その時から「5月5日=端午の節句=こどもの日」となっています。
意外なことに、条文には「母に感謝する」ともあります。家族で子どもの成長を祈願するばかりかと思っていたら、「無事に産んでくれたお母さんに感謝しましょう」という趣旨もあるんですね。
まとめ
いかがでしたか?あなたの疑問解消のお役に立てたでしょうか?以下にまとめておきます。
まとめ
- 端午の節句に鎧兜を飾る意味は、元は魔除け、手入れのため、神社に奉納する風習の名残でした。
- 江戸期になって庶民に広まり、同時に五月人形の原型もできました。
- 菖蒲の節句とも言われ、菖蒲=尚武から子どもの成長を祈願する日となりました。
- 節句とは季節の変わり目を表すに日で、他にも4つの節句があります。
- 昭和23年に端午の節句=こどもの日と法律で定められました。
こどもは社会の宝です。5月5日にはこどもの日をお祝いしましょう。同時に母親に「ありがとう」なんて言ったら変な顔をされるかな?
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
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