アシナガバチって黄色と黒の縞模様がなんだか怖そうに見える虫です。
刺されれば痛いし、アナフィラキシーショックの恐れもあると聞きます。
でもちょっと待ってください!アシナガバチは見た目ほど攻撃的ではないんですよ。むしろ性格はおとなしい部類だと言われています。
私自身は昔スズメバチに刺されたことがあるため、アナフィラキシーショックを警戒して絶対に近寄りませんけどね。
あなたの家庭にアシナガバチが巣を作ったらどうしますか?やっぱり撤去を考える人が多いかも知れませんね。
そんな事を考えていてふと疑問が湧きました。アシナガバチって何を材料に巣を作っているんだろう、って。
そこで調べてみると面白いことが次々と分かってきましたので、シェアをしたいと思います!
それではぜひ最後までお付き合いくださいね。
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アシナガバチの巣の材料
アシナガバチは植物の靭皮繊維を自身の唾液で固めて巣を作ります。
靭皮繊維とは植物の表皮のすぐ内側にある柔らかい皮のことです。柔らかいけどしなやかな素材で、これを唾液のタンパク質と混ぜることで強い巣を作ることができます。
ちなみにスズメバチは枯れ木などの表皮を噛み砕いたものを唾液と混ぜて材料にします。そのため比較的脆い巣になっています。
その点、アシナガバチは繊維を砕かずにほぐして使いますので、強靭な巣が出来るため簡単には壊したり落としたりすることができません。
そんなアシナガバチの巣の作り方を更に詳しき見ていきましょう。続きをご覧ください。
アシナガバチの巣の作り方
アシナガバチは次のようにして巣を作ります。
- 最初の一ヶ月間は女王蜂一匹で巣作りをする
- 場所を決め、唾液をこねて土台を作る
- 靭皮繊維を取ってきては唾液と混ぜ、卵を産む部屋を作る
- 部屋をどんどん増やしつつ、卵を産み付ける
- 羽化した働き蜂とともに部屋を増やしていく
- 直径10cmから15cmほどで巣の拡張を終える
最初は女王蜂だけで巣作り、産卵、幼虫の世話を全て行うため、巣を大きくするのにはすごく時間がかかります。でもそれも働き蜂が羽化するまでの話。
働き蜂が増えだすとすごい早さで巣が拡張していきます。最初の一ヶ月間で3~5部屋の小さな巣しかできないのが、働き蜂が羽化してからは1ヶ月で5cmずつ大きくなる感じです。
続いてはアシナガバチの巣作りの時期について詳しく見ていきましょう。
巣作りの時期はこのあたり
アシナガバチは女王蜂が冬眠から目覚める4月中旬に巣を作り始め、8月中旬まで大きくしていきます。
女王蜂は集団になって木のウロや民家の軒下、古い巣などの雨露をしのげるところでじっと冬眠します。この間は飲まず食わず、動かずにひたすら暖かい時期を待ちます。
4月中旬になって活動できる気温になると解散し、それぞれに巣を作り易い場所を探して飛び立ちます。そして軒下やガレージの屋根など、日当たりが良くて外敵が少なそうな場所に巣を作り始めます。
そんなアシナガバチの巣作りですが、古い巣を再利用したりはしないんでしょうか?
古い巣の再利用はする?
アシナガバチは古い巣を再利用しません。巣は一年で使い捨てられ、次のシーズンになるとまたせっせと新たな巣を作り始めます。
ただし、新しい巣を作る時に古い巣を材料にするため一部を切り取って持ってくることはあるようです。
またアシナガバチが一度選んだ場所は、彼らにとって巣作りの条件を満たしている場所だと言えます。そのためすぐ横に新しい巣を作り始めたりすることは多いのです。
するとアシナガバチが巣作りに選ぶ場所はどんな所かが気になりませんか?続けてご覧ください。
巣作りにはこんな場所を選ぶ
アシナガバチは開放的で日当たりのいい場所に巣作りをします。例えば次のような所をよく選びます。
- 民家の軒下
- 植え込みの中
- ベランダ
- 街路樹の枝
こうした場所でよくアシナガバチの巣を見かけます。人間の生活圏であることは気にしません。むしろ人間の生活圏の方が外敵が少ないために彼らにとっては安全なのかも知れません。
注意すべきは、子供の手が簡単に届く高さにも営巣することです。
するとアシナガバチが巣を作り始めたら撤去したほうが良いのでしょうか?どう判断すべきかを次にまとめてみました。
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撤去か放置かの判断はこうしよう
アシナガバチは大人しい性格の蜂なので、基本的には巣を放置しても問題ありません。彼らは毛虫などを狙って幼虫の餌にするため、庭木や家庭菜園の保護という観点からはむしろ益虫だとも言えます。
ただし、次の場所に巣作りを始めた場合は撤去を考えたほうが良いでしょう。
- 小さな子供のいる家庭
- 物干し場所のそば
- 人の出入りが多い店先など
その理由は、アシナガバチに刺される被害の殆どは次のケースだからです。
- 子供が興味本位で触ったりイタズラをして攻撃されるケース
- 洗濯物に止まっていることに気づかずに取り込もうとして刺されるケース
- 気づかずに巣に近づいて過剰に警戒されるケース
こうした判断と撤去の仕方については、こちらの記事に更に詳しく書きましたので参考にご覧ください。
まとめ
いかがでしたか?アシナガバチはこんな材料から巣を作っていたんですね。考えてみればハチの巣ってどこか和紙みたいにも見えますね。どちらも木の皮などを材料にしていますからね。
それでは今回の記事の内容をおさらいしておきましょう。
- アシナガバチは靭皮繊維を唾液と混ぜて巣の材料にします。
- 最初は女王蜂だけで作業し、働き蜂が羽化するとみんなで巣を拡張していきます。
- 巣作りの時期は4月中旬から8月中旬です。
- 古い巣に再び住み着くことはありません。ただ、新しい巣の材料として使うことはあります。
- 開放的で日当たりのいい場所を選んで巣作りをします。
- 基本的には巣を放置しても大丈夫ですが、小さな子供のいる家庭などでは撤去を検討しましょう。
巣作りで忙しく働きまわるアシナガバチをそっと観察するのも結構面白いですよ。見ていると甲斐甲斐しくてなんだか可愛くなったりして。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
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