9月になると大学を推薦入試で受験をするかどうか考える機会があります。
高校によっては、指定校推薦が来ている大学の一覧が教室に張り出されるなどしているところもあります。
でも推薦にすぐに飛びつくのは要注意!推薦入試にはそれなりのメリットとデメリットがあるので、まずはこれらについてよく検討してからでも遅くはありませんよ。
そして「推薦入試って併願してもいいの?」とか「一般受験は大丈夫?」などといったよく聞かれる疑問も解説していきます。
ぜひ最後までお付き合いくださいね。
大学の推薦入試のメリットは?
大学を推薦入試で受験をする事には様々なメリットがあります。以下に推薦入試のメリットを列記します。
- 早い時期に進学先を確定することができる
- 高校3年間の取り組みが評価されるので部活動などに力を入れていた人に有利
- 受験のチャンスが拡大(推薦入試で不合格でも一般入試にチャレンジできる)
最も大きなメリットは、最初に挙げた「早期に進学先を確定できる」ことです。早いと11月頃に合否の通知が来ます。
無事に合格できたら、進学後に学ぶ専門分野の学習に取り組むことができます。他にもボランティア活動や引退した部活動で後輩の指導にあたるなど、それまでできなかった事に挑戦していくことができます。
もちろん推薦で合格しても、他の受験生と一緒に学習を続けてセンター試験(2020年度から大学進学共通テスト)にチャレンジすることもできます。
それ以外のメリットとして、部活動に力を入れて実績を残した人や日頃の学習を頑張って好成績を上げた人などが高く評価される点もポイントです。
「成績は良いんだけど模試だと点数が取れない」といった人にとっては志望校にチャレンジするチャンスです。
そして、仮に推薦入試で不合格であっても一般入試で再び受験すればいい、という点も大きなメリットと言えます。
2回のチャンスがあるというのは受験をする上で気持ちの余裕に繋がる可能性があります。言葉は悪いですが、「ダメ元」で推薦入試にチャレンジするのもアリだと言えます。
では一方、推薦入試を受験することで生じるデメリットにはどのようなものがあるんでしょうか?続きをご覧下さい。
大学の推薦入試のデメリットは?
大学の推薦入試によるデメリットには次のようなものがあります。
- 9月、10月頃に推薦の準備に時間を取られて他の学習が進められない
- 模擬試験に該当するものがないため対策する事が難しい
- 専願の大学が多いため、学力を伸ばして他の大学に入学するチャンスを潰すことになる
- 実力以上の大学に合格すると、入学後についていけなくなる恐れがある
- 合否が早期に出るため、油断をすると学力を落とす恐れがある
推薦入試の最も大きなデメリットは、最初に上げた「準備に時間を取られて受験勉強ができない」という点です。
通常、二学期が始まってすぐに推薦入試の希望を募って校内選考に入ります。校内選考を通過したら志望理由書を書いたり面接の練習をしたりする事を始めますが、これが9月から10月のおよそ2ヶ月間に該当します。
9月や10月と言えば、センター試験(大学進学共通テスト)の出願もあり、一般入試に向けて多くの受験生が受験勉強に集中している時期です。この時期に推薦入試の準備をすると言うことは、一般入試に向けて大きく出遅れることを意味します。
また、面接や小論文の対策として面接練習や小論文の添削などを担任の先生などにしてもらうことになります。
面接や小論文の対策は、一般入試に対する模擬試験という位置づけのものが無いため「ここまで出来ているから大丈夫」といった判断が難しくなります。
専願の推薦入試では、合格をしてしまうと取消が聞かないのもデメリットだと言えます。合格後に希望が変わっても入学辞退はできないんですね。
さらに、実力にマッチしていない大学に合格してしまった場合や合格後に学習をしなくなってしまった場合には、入学してから学力不足で困る事になりかねません。
だから、推薦入試で合格を勝ち取ることが出来ても、一般入試で合格ができる程度の学力を確保すするだけの学習をし続けることが大切なんですね。
大学の推薦入試は併願できる?
大学の推薦入試は併願が出来るかというのは一言では答えにくい微妙な問題をはらんでいます。敢えて書くなら、次の点に集約されます。
- 専願と併願可(または複数の併願可)に出願は可能だが、安易にすべき事ではない
というのも、推薦入試は「どうしてもこの大学に入りたい」という受験生の強い意志が前提となっている入試だからです。どうしても入りたい大学が二つも三つもあるのはおかしな話ですよね。
こうした結論に到るまでには、推薦入試とはどのような理念で行われるのかという点についてよく考える必要があります。
そもそも推薦入試とは、本来は次のようなものであるべきなのです。
- ある大学に対して、学力や人物などあらゆる面から見て高校(の校長)が太鼓判を押した生徒を推薦し受験をさせる制度
これが推薦入試の本来の姿です。校長が自信を持ってすすめて受験をした生徒ですから、当然ながらその大学に入学したい!他の大学ではダメ!という強い意志を持っているはずなんですね。
にもかかわらず、同じその生徒が他の大学の推薦入試も受けていて、「あちらに受かったからこっちは辞退します」なんて事には普通はなりません。
なぜなら、その生徒は「この大学に入りたいです!」という強い意志を持って受験をしてきたはずだからです。
だから、本来のあり方という観点からすると、複数の大学の推薦入試を受験するというのはあまり褒められたものではないということになります。
推薦入試のこうした理念を重要視して、進路指導上の方針として「同じ生徒を一度に推薦できるのは1大学だけ」という高校もたくさんあります。
この問題を大学側の視点から見ると、推薦入試を「併願可」としている大学としては受験生が他の大学に行く可能性があることは分かっている話です。
大学側としては推薦入試のあり方に逆行して他の大学に行ってしまう受験生がいることも承知の上で、それでも推薦入試で早期に合格者を確保するメリットがあるために「併願可」による推薦入試を実施しているのが実態です。
さらに受験場のテクニカルな話としては、こうした「併願可」の推薦入試を実施している大学があることを上手に利用し、複数の推薦入試を受けることは可能です。
ただし、前述の通り推薦入試は(自己推薦を除いて)高校の校長先生が認めた生徒出ないと受験できません。
高校の進路指導が「推薦で一度に出願できるのは1大学のみ」という方針ですすめられている場合は、もちろん併願することは出来ないので注意が必要です。
推薦入試を受験する際に実施される小論文の書き方についてはこちらの記事に詳しく解説しました。
また、面接は推薦入試では必ず実施されます。面接時の服装についてこちらでチェックしておきましょう。
まとめ
いかがでしたか?
推薦入試は早期に進路決定が出来るなどのメリットがある一方で、様々なデメリットもあるので受験を考えるなら保護者や担任の先生とよく話し合う必要がありますね。
他にもAO入試のことや評定のことなど、気になる事が沢山あると思うのでこちらのまとめ記事からご覧下さい。
それでは今回の記事の内容をおさらいしておきましょう。
- 大学の推薦入試には、早期に進路決定が出来るなどのメリットがあります。
- 一方では受験勉強をすべき時間を使って準備をするなど、デメリットも様々あります。
- 推薦入試を併願で出願することは可能ですが、本来のあり方ではないので注意が必要です。
大学受験では推薦入試を上手に活用しながら、大学入学まで学力を落とさない努力も続けていきましょう!
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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