神無月というと一般に「神様が出雲に集まって土地を離れるから」と言われています。でもこれは俗説で、実は神様をお祭りする月という意味の「神の月」がなまったとする説が有力だそうです。
あなたはこの神無月に出雲大社に参拝したことはありますか?この記事が目に止まったということは、興味をお持ちなのでは?
私自身もこの年まで良縁に恵まれず未だ独身なのです。だから出雲で縁結びのご祈祷をしてもらうことにはちょっと興味があったんです。
それとは別に、出雲大社は他の神社とは少し異なる作法があるとも聞いていましたので、元々参拝してみたいとは思っていました。
そこでいろいろと調べてみると、とても面白い話がザクザク出てくるじゃありませんか!分かったことをあなたとシェアしたいと思います。
それでは是非最後までお付き合い下さいね。
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神無月に出雲大社への参拝を勧める理由
神無月には出雲大社に参拝をすることをお勧めします。その理由は、この月には日本全国のほとんどの神様が出雲大社に集まっておられるからです。
出雲大社と言えば縁結びの神様として特に有名な神社です。良縁を願う人々にとっては絶好のチャンスが神無月の出雲大社なんですよ。この期間中には毎年「縁結大祭」というお祭りも行われ、良縁祈願の祈祷をしています。
ちなみに出雲大社のある島根県では「神在月(かみありづき)」と呼んでいます。この月には神々がこの地方に集うからです。
日本には八百万(やおよろず)の神々がおわすと言われています。800万もの神様がおられて、神社から各家庭のお手洗いにいたるまであらゆる場所で私たちを見守って下さっているんですね。
そんな八百万の神々が出雲国、言い換えると島根県に集まる月なんです。
すると、八百万の神々は何の目的で出雲国に集まるのでしょうか?
出雲で行われている神々の話し合い
神無月に八百万の神々がお集まりになるのは、「神議り(かみはかり)」という話し合いで人々の運命を決める目的のためです。
人間には予め知ることができない未来の運命のことを「神事(かみごと)」と言い、これを決めるために神議り野の場で一つ一つ決めているんです。男女の縁もこれで決められる訳です。
それではなぜ集まるのが他の地ではなく出雲大社なのかという疑問が出てきます。続けてご覧下さいね。
出雲大社が縁結びの神様である理由
出雲大社の御祭神は「大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)」という神様です。この神様は「国津神(くにつかみ)」という神々の系譜に連なる神様です。
国津神とは大地に根を下ろしてその土地を見守る神様のことで、子孫繁栄の御利益があるんですね。大地は母親と子宝の象徴ですからね。
また、神話の中では大国主大神が天照大神(あまてらすおおみかみ)に国譲りをしたとき、このように言いました。
「私の治めていますこの現世(うつしよ)の政事(まつりごと)は、皇孫(すめみま)あなたがお治めください。これからは、私は隠退して幽(かく)れたる神事を治めましょう」
この「幽れたる神事」とはすなわち縁結びのことであり、男女の縁結びから仕事の縁、金銭の縁などを司ることになったと言われています。
国譲りとは、天照大神をはじめとする天津神の要求の末、大国主大神をはじめとする国津神が出雲地方の支配を譲ることとなった経緯の物語です。奈良時代の古事記や日本書紀に記載があります。
実は神無月に出雲に集まるのは、この国津神の系譜に連なる神々なんです。また、国津神の中でも一部の神様はそれぞれの土地に残ってお留守番をされています。だから神無月に土地の神社に参拝しても大丈夫。
さて、それでは出雲大社に国津神がお集まりになるのは10月なんでしょうか?実は現在の暦とは少し違うので注意が必要です!
神無月は旧暦の10月
出雲大社に神々が集うのは旧暦の10月です。現在の暦の10月とは異なり、年によって1ヶ月前後もずれが生じるので注意しましょう。2018年から数年間の旧暦10月がいつに当たるのかを調べてみました。
- 2018年11月8日~12月6日
- 2019年10月28日~11月26日
- 2020年11月15日~12月14日
- 2021年11月5日~12月3日
- 2022年10月25日~11月23日
このように年により全く違う日が神無月にあたっています。旧暦がずれる理由についてはこちらの記事も参考にご覧下さい。
出雲大社では旧暦に沿って神事の日取りを決定してます。それは旧暦10月10日から17日と26日です。
2018年は11月17日に神様をお迎えする「神迎神事(かむえしんじ)」、18日、22日、24日には「神在祭(かみありさい)」、11月22日と24日には「縁結大祭」が執り行われます。
出雲大社の参拝方法は他と違うので注意
出雲大社では他の神社とは異なる独自の方法で参拝することになります。最も違いが大きいのが次の2点です。
- 拝礼は「2礼4拍手1礼」
- 本殿に拝礼した後、左回りで境内の他の社に参拝する
通常は「2礼2拍手1礼」が作法ですが、礼と礼の間の拍手の数が異なりますので注意が必要です。これが5月14日の大祭礼の日には、「2礼8拍手1礼」となるのでさらに気をつけましょう。
他の作法については他の神社と同じです。こちらの記事を参考にして下さい。
ところで、実は神無月にも留守にせずに神社に留まる神様もおられることが分かりました。続きをご覧下さい。
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神無月でも神在月?神様がおわす場所もある
三重県にある伊勢神宮では、神無月であっても変わらずそこにおられる神様をお祭りしています。
伊勢神宮の御祭神である「天照大神(あまてらすおおみかみ)」です。この系譜の神様を前述の国津神に対して「天津神(あまつかみ)」といいます。こちらは神無月にも出雲国に出かけない神々です。
考えてみれば、前述の国譲りの神話で紹介した様に国津神は天津神に屈服した側です。その国津神のところへ天津神が足を運ぶ訳もありませんからね。
まとめ
いかがでしたか?出雲国としてはこの季節に行われるすごく大きなお祭りだったんですね。個人的には国譲りの神話にとても興味が出ました。機会があれば更に調べて記事にしていきたいと思っています。
それでは今回の記事の内容をおさらいしておきましょう。
- 神無月には出雲に神々が集うため、参拝することをお勧めします。
- 特に出雲大社は縁結びのの神様で、縁結大祭も行われます。
- 出雲大社が縁結びの神であるのは、国譲り神話に由来しています。
- 神無月は旧暦に沿っており、祭礼も年ごとに日取りが異なります。
- 出雲大社では参拝の作法が他と異なるので注意しましょう。
- 神無月でも伊勢神宮の御祭神はそのまま留まっておられます。
出雲大社には私も行ったことがないんですよ。チャンスがあれば神無月に参拝して、良縁祈願をしてこようと思っています!
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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